Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

金メダル獲得・・・

2006年02月24日 23時20分19秒 | 時事・社会
フィギアスケート女子の荒川静香選手、見事な演技でした。
金メダルおめでとうございます。これで「しずちゃん」(南海
キャンディーズ)より有名になれますね。(って、何のこっちゃ)
で、こういうことを書くと彼女の努力とその成果とに水を差す
ようで申し訳ないのですが、私は今回のトリノ五輪で日本は
1つもメダルを取れずに終わったほうがよかったのではないか
と今でも思っています。
オリンピックをはじめ様々な大会で繰り広げられているのは
「競技」です。「スポーツマンシップ」とか言ってますが、どう
見ても私には「スポーツ」とは思えません。
「向上心」が「他者より上位に立つこと」にすり替えられて、
勝ち負けにこだわるのって、否定はしませんが、それが全て
というのは違うと思います。
オリンピックは元来、「都市対抗戦」なんですよね。今でも
開催地は「国」ではなく「都市」で決めるのはその名残です
が、それを国威発揚・ナショナリズムの体現の場と変えた
のが、'36年ベルリン大会のヒトラーです。
それを踏まえつつ、それでも「日本代表」を推すのなら、
ふがいない結果に対してはもっと国民から批判が出ても
おかしくないと思うのですが。今回叩かれたのは、スキー
ジャンプNHの原田雅彦選手くらいですよね。
(彼の場合、そもそも代表に選ばれたこと自体がおかしい
訳で、選んだ以上は競技団体やJOCの責任でしょうに。)
今回日本勢の「成績」が振るわないのは、前々回の長野
大会と2年前の夏のアテネ大会のメダルラッシュに勘違い
した関係者の、強化・育成の失敗が原因です。特に冬は、
元々そんなにメダルなんて取れてなかった上に、不況の
あおりなどで競技人口が減ってレベルも下がってる訳です
し。勝つことがそんなに重要なら、勝つための準備をして
おかないといけない筈ですよね。それは関係者だけでなく、
見る側もそういう目で見てないといけない、ということでも
あります。競技者はアイドルではないのですから。
で、私が今度のオリンピックを覚めた目で見ているのは、
それが日本社会全体にも通じる問題を含んでいるように
思えるからです。以前から兆候はありましたが「小泉改革」
によっていよいよ本格化した「競争社会」って、オリンピック
と似てると思いません? オリンピックの場合は選ばれた
「勝ち組」たちの大会ですが、そこでもトップ3に入ることが
全て。負けたらおしまい。シビアな世界です。
それでも代表になれた選手は、たとえ負けても国内では
大事に扱われますが、選ばれなかった選手はほとんど
見向きもされません。
「競争社会」も結局はそういうものなのです。「競争に負け
てもやり直せる仕組みを作る」とか言ってますが、それじゃ
「競争」にならないという批判が必ず出てくるでしょう。
もしメダルを取れずに終わっていれば、「競争」の厳しさを
国民が再認識し、「優しい社会」へ舵を切りなおす契機に
なったかも知れないのに、と思うと、荒川選手には申し訳
ないですが、金メダルが多少恨めしくもあります。
有名人好きの小泉首相が、早速アプローチしてるみたい
ですしね。さすがにもう国民も騙されないと信じてますが。