Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

竹島の日

2006年02月22日 23時15分13秒 | 時事・社会
昨年3月に島根県が制定した「竹島の日」を初めて迎えました。
韓国政府は島根県が記念式典を行なったことに遺憾の意を表明
したものの、抗議行動などは比較的小規模にとどまったようです。

島根県議会が条例を可決した昨年3月16日、私はちょうど出張で
島根県大田市におり、ホテルのテレビでニュースやワイドショーを
見てましたが、地元と在京キー局の放送内容、出演者の認識の
あまりの落差に愕然としたものです。
考えてみれば、ワイドショーをはじめ全国ネットの番組のほとんど
は、お笑い系の人気タレントに、いつも同じ顔ぶれの評論家や
ジャーナリスト、良心的な番組でもせいぜい系列紙の解説委員
が加わるくらいで、その問題の専門家が時間をかけて説明したり、
一堂に会して論じ合うようなものは「政治討論」系を除いて、まず
見当たりません。たまたま入った仁摩町(現大田市)の図書館で
竹島関連の書籍のコーナーを見つけて読んだ本のほうが、よほど
分かりやすく勉強になりました。

竹島問題は地元では、第一義には漁業問題です。
当時某キー局は、松江市の街頭で道行く人にインタビューして、
「(竹島を)知らない」というコメントを取って繰り返し流し、「日本
では(地元でも)関心は低い」などと自分たちの無関心・無知を
免責・正当化する開き直りぶりを示してましたが、漁業関係者
や経済界にとっては深刻な問題なのです。
政府間でもこの問題は事実上棚上げのままきていますが、日韓
漁業協定によって竹島周辺は「暫定水域」という共有域となって
います。しかし韓国の警備艇が日本の漁船を近づけない一方、
韓国側は乱獲を続けているそうです。業を煮やした自治体が、
注目を集めて世論を喚起し、陳情に耳を傾けない政府を突き上げ
るために条例制定という政治問題化に踏み切ったというのが実情
です。
この問題は単に竹島水域や島根県の問題でなく、昨年来何かと
騒がれる中国の公害問題も合わせて、日本近海全体の環境・
水産資源問題として早急に取り組まないと、手遅れになりかね
ません。とはいえ、一方で中国にどんどん車を売っている現実も
あります。領土問題でも経済問題でも、自尊心や利己心だけで
突っ走ってると、いつか大きなしっぺ返しを受けることに思いが
至らないのでしょうか。

竹島の帰属問題については私もまだ勉強中なので、後日改めて
取り上げることにしますが、「論争」を見ていると、お互い相手の
主張を全否定して自説を述べるだけで、相手に納得させるような
「反証」も、自説の自己検証も十分なされていないように思われ
ます。
「竹島の日」制定を契機とする韓国・中国の反日「暴動」以降、
「日本人なら日本に不利になることを言うな。」とか「日本には
日本の歴史がある。外国が口出しするな。」といった主張も目に
つくようになりました。おかしな話ですけどね。
韓国人も韓国に不利なことを言わなければ、いつまで経っても
議論は平行線です。現状のままが望ましいということでしょうか。
それとも、戦争をしたくて仕方が無いのでしょうか。
歴史相対主義を主張するなら、自分たちの歴史観の絶対化とは
相容れません。
結局のところ、「外圧」を反発材料として逆の形で利用している
だけで、「思想」は無いんですけど、なぜか受けるんですよね。
まあ、あんまり言うと大衆を「愚民」などと見下す人たちの仲間
入りしちゃいそうなので、この辺で。