Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

「都知事 推奨」って・・・

2007年08月14日 23時41分51秒 | 映画・ドラマ
映画『夕凪の街 桜の国』で気になったことの一つが、冒頭に出てた「東京都
知事 推奨」の字幕です。
果たして石原都知事は、この映画を実際に見て「推奨」したのでしょうか。
『俺は、君のためにこそ死ににいく』を作った石原都知事が。
私はまだ観てませんが、『俺は、君のためにこそ死ににいく』は単純な戦争
美化・特攻隊賛美の作品ではないようです。『男たちの大和』等にしてもそう。
ただ、私は「尊い犠牲」という発想自体に強い違和感を覚えます。「愛する者を
守るために」と言うけれど、特攻隊は廣島・長崎を守れなかったではないか。
それがヒロシマ・ナガサキが語る歴史です。「今日の繁栄の礎」と言う前に、
日本中が焦土と化すのを防げなかった。死ななくて済んだかも知れない命を
救えなかった。それは結局、無駄死にであり、犯罪ですらあるのではないか。
自ら命を捨てた者だけが称賛され、命を奪われた大勢の者たちは見捨てられ
ている状況。結局守られず、どうにか生き延びた者を待っていた過酷な現実。
都知事は、この映画の底に流れるそれらの告発に気づいているのでしょうか。
分かってて「推奨」したのでしょうか。
それとも、回ってきた書類に「××判」を押しただけかな。

映画版『夕凪の街 桜の国』

2007年08月13日 23時01分17秒 | 映画・ドラマ
広島では先行上映されていたにもかかわらず、なかなか観に行けなかった
『夕凪の街 桜の国』を、ようやく観てきました。
近所のシネコンで観るつもりでしたが、夜の上映がなくなったため、新天地の
ミニシアター「シネツイン2」に行きました。元々は「新天地劇場」の名で半世紀
以上前にオープンした歴史ある劇場で、その後広島宝塚の別館となりましたが
2004年に一度閉館しました。しかし「街中の映画館を守りたい」とミニシアター
「サロンシネマ」の関係者らが動いて復活したものです。ミニシアターといえど
元は200席あった一般劇場。見ごたえもあって、いい感じでした。
文化面で岡山の後塵を拝している印象の広島ですが、気がつくとミニシアター
は全部で5館もあります。(サロンシネマ1・2、シネツイン1・2、横川シネマ。)
作品のチョイスが悪いのか、私の都合と合わないだけなのか、なかなか行く
機会がないのですが、今年は観たい作品が多いので、足を運ぼうと思います。
この時期の平日に行くつもりではなかったので、前売りを買っていたのですが、
月曜日は割引デーで千円で見れたんですよね。ちょっとショック。けどまあ、
劇場前売り特典で扇子を貰ったからいいか。

原作のコミックは最初に買ったものを宣教師に、その後買い直したものも友人
に貸して、手元にはありません。でも、脳裏にしっかり焼きついています。
上映前にパンフを読みながら、思い出し泣きしてしまいました。
原作への思い入れが強いと、映像化作品を受け入れがたい部分があって、
今回も最初は期待してましたが、公開が近づくにつれ不安が募ってきました。
とりわけ『夕凪の街』の素晴らしさは、ラストシーンの漫画ならではの表現に
負うところが大きいので、映画化は難しいだろうなぁと思っていたので。
でもやっぱり観ずにはいられませんでした。

『夕凪の街』は、ヒロイン・平野皆実役の麻生久美子の好演に尽きます。原作
からそのまま出てきたみたいにイメージぴったりで、見事に演じきってくれて
いました。
ただ難を言えば、最期の場面が美しすぎでした。ちっとも原爆症らしくない。
これは作品全体にもいえることで、美しく撮り過ぎていて、例えばバラックも
整然としていて「原爆スラム」ではなくただの長屋に見えてしまいます。
どぎつい表現を避けてソフトに仕上げた意図は分かりますが(でもそれなら、
銭湯でケロイドを見るシーンもいらない気がしますが)、リアリティは追求して
ほしかったです。
ラストシーンは、まあ妥当というか、これなら有りかな?と許容できる範囲内
でした。ただ、どうせならもっと「別物」に徹してほしかったです。中途半端に
原作を引きずって、皆実のモノローグをそのまま挿入したため、実際の展開
と噛み合わなくて興ざめしてしまいました。

『桜の国』のほうは、原作にさほど思い入れが無かった分、素直に観れました。
現代劇としては、まあ及第点でしょう。ヒロイン・石川七波役の田中麗奈も、
私好みではないけど頑張ってました。でも本格女優の割に、演技に幅が無い
というか、素人っぽかったです。途中から木村拓哉を見てる気がしました。
(そういう演出だったのかも知れませんが。)
七波の父・旭役の堺正章は原作とは若干イメージが違いましたが、いかにも
という演技でした。できればもう少しセリフを喋ってほしかった。祖母フジミ役の
藤村志保は落ち着いて見られました。ただ『夕凪の街』での若い頃の場面は
かなり無理がありましたが。
無理といえば、子役や若い頃の役と年を取ってからの役のギャップの大きさも
もう少し考えてほしかったですね。
東子役の中越典子は、私には外れでした。典型的な「現代の若者」のテイスト
は出てましたが、作品にはミスマッチと感じました。田中麗奈に負けず劣らず
「素の演技」でしたし。このキャラなら、ラブホテルでプリプリの「Diamonds」が
流れるのも致し方ないのかな。

実相寺昭雄氏、宮内國郎氏、死去

2006年12月01日 23時58分17秒 | 映画・ドラマ
「ウルトラマン」演出、実相寺昭雄さん死去

 テレビ番組「ウルトラマン」シリーズや映画「帝都物語」で知られる
映画監督で演出家の実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)さんが、29日
午後11時45分、胃がんのため死去した。69歳。
 告別式は12月2日午前10時30分から、東京都文京区湯島4の1
の8 麟祥院で。喪主は妻で女優の原知佐子(はら・ちさこ)さん。
 東京都生まれ。早稲田大学卒業後、1959年、東京放送(TBS)
に入社。66年の「ウルトラマン」をはじめ、「ウルトラセブン」「怪奇
大作戦」などの特撮ドラマを演出し、69年の短編「宵闇せまれば」
で映画を初監督。翌年同社を退社後、長編第一作の「無常」を手
がけ、映画「曼陀羅(まんだら)」「あさき夢みし」などで、日本的
な精神風土に迫る作品を撮った。
                [読売新聞 11月30日13時31分更新]


<訃報>宮内国郎さん74歳=「ウルトラマン」などの作曲家

 宮内国郎さん74歳(みやうち・くにお=作曲家)27日、大腸がん
のため死去。葬儀は近親者で行う。自宅は東京都狛江市岩戸南
1の5の2。喪主は長男俊郎(としろう)さん。
 「ウルトラQ」「ウルトラマン」など特撮テレビ番組や映画の主題
歌作曲を中心に活躍した。
               [毎日新聞 11月30日23時14分更新]



子どもの頃から慣れ親しんだ人、憧れだった人たちの訃報が、
次々と届いて、ますます暗い気持ちになります。

「ウルトラマン」は再放送(再々々放送くらい?)で見た世代です
が、随分と影響を受けたものです。たぶん「ウルトラマン」を知ら
なければ、「ゴジラ」を好きにはなっていなかったでしょう。
実相寺氏を知ったのは、実は『帝都物語』が最初でした。円谷
英二氏は良く知っていましたが、彼の弟子たちのことは全くと
言っていいほど知りませんでした。
でも考えてみれば、私がリアルタイムで見てきた映画やテレビ
番組は、実相寺氏ら「ポスト円谷」世代が作っていたわけですし、
「ウルトラシリーズ」も実は、円谷氏は一線を退いて弟子たちに
自由に作らせていたらしいです。
私自身、まだ「正当な評価」ができるほど彼のことを知りません
ので、今更ですが足跡を辿ってみたいと思います。

宮内氏は『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』の作曲者
として知ってましたが、「ウルトラマン」や「セブン」もそうだった
のですね。
「ウルトラセブン」の音楽は、特撮史上に残る傑作だと思います。
余談ですが、私が大学に入学した時、サークル紹介で、某合唱
団が「ウルトラセブンのうた」を男性4部合唱で歌ってくれまして、
大爆笑しつつも感動した記憶があります。
伊福部昭氏のおかげで肩身の狭い思いはしなかったかも知れ
ませんが、それでもテレビ番組の音楽、しかも子ども向けとなる
と、「邪道」扱いは受けたことでしょう。でも、円谷作品における
伊福部氏同様、実相寺作品においてなくてはならない存在で
あったと思います。

セーラー服と機関銃

2006年10月13日 23時46分46秒 | 映画・ドラマ
「あの名作が25年ぶりに復活」と宣伝されていましたが、原田知世主演で
テレビドラマ化もされたこと、計算に入ってないでしょ?と突っ込みながら
一応期待してました。
薬師丸ひろ子主演の映画が公開されたのは1981年12月のこと。正月映画
だったのですね。赤川次郎の原作を角川が映画化し(監督は相米慎二)、
大ヒットを記録しました。翌年7月には「完璧版」(今風に言えば「ディレクター
ズ・カット」でしょうか)で再上映。同時上映が確かシブガキ隊の『ボーイズ&
ガールズ』(ジャニーズ製作・森田義光監督)で、この時も大ヒットでした。
角川映画の代表作といっていいでしょう。角川といえば東宝だと思い込んで
ましたが、この作品は東映系だったのですね。意外。
社会現象にまでなった「カ・イ・カ・ン」は、実は原作には無いセリフです。
今回のリメイクでも使われているようですが。(ついでに、途中で流れたのど
飴のCMの中でも言ってました。)

今回は、主演の長澤まさみが役名の「星泉」名義で、薬師丸ひろ子がヒット
させた映画の主題歌もカバーする、というのも話題になってました。劇中歌
のリリースはたまにありますが、これは前例が無いのではないでしょうか。
しかし・・・長澤まさみは歌が下手ですね。「あの」薬師丸ひろ子の足元にも
及ばない。(比較するから余計にそう思うのかも知れませんが。)

さて、一応は期待をして、第1話を見てみましたが・・・。
原作に沿った展開という点は、評価できます。もっとも、最後まで原作通り
では続かないから、今後はいろいろ入ってきそうですが。(次回の予告編で
早速その兆候が出てましたし。)
でも、前半のやたらコメディータッチの演出は、私は好きじゃありません。
典型的なアイドル物というよりは、『トリック』的なノリで、でも長澤まさみは
爽やか系の天然キャラだし、佐久間役の堤真一はコメディーだとキャラの
濃さが鼻に付くし、噛み合ってないんですよね。後半、少しシリアスになって
くると落ち着いて見られました。それだけの演技ができる役者が揃わないの
かも知れませんが。
黒木刑事役の小市慢太郎がいかにも悪役っぽいのもいただけないし、私が
大好きだった同級生トリオも女の子に変わってるし、キョンキョンはちっとも
怪しくないし。期待してた分、落胆も大きかったといったところです。
22時スタートというのも、対象が不明確な気が。と言うのは、私が古い人間
だからかな? 今頃の子は平気でテレビ見るのかな。
まあ、「報道ステーション」見るよりはましかも知れませんが。
第2話、どうするかなぁ。

『夕凪の街 桜の国』クランクアップ

2006年09月25日 23時35分34秒 | 映画・ドラマ
田中麗奈、ヒロシマ伝える

 映画「夕凪の街 桜の国」(佐々部清監督、来夏公開)のクランク
アップ会見が19日、都内で行われ、主演の田中麗奈(26)、共演の
麻生久美子(28)らが出席した。
 広島の被爆者たちの悲劇を描いた人気漫画(原作・こうの史代)の
映画化。被爆を逃れた父を追うヒロインの石川七波を演じる田中は、
家族と広島を旅したそうで「日本はもちろん、世界の人に広島でこう
いうことがあったんだと伝えたい」。
 七波の伯母で、広島で被爆した平野皆実を演じる麻生は「この役
は絶対にやりたいと思ったのは初めて。100年後も見てもらえる名作
に」。共演は堺正章(60)、藤村志保(67)、中越典子(26)ら。

                    [スポーツ報知 2006年9月20日 ]


田中麗奈の主演映画「夕凪の街 桜の国」がカンヌ出品へ

 女優、田中麗奈(26)主演の映画「夕凪の街 桜の国」(来年8月
公開、佐々部清監督)のクランクアップ会見が19日、都内で開かれ、
来年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品を目指す
ことが発表された。
 配給のアートポートによると1月に完成次第、審査を受け、通過しな
かった場合は別の部門を狙う。同作は被爆体験を忘れられない女性
(麻生久美子)と、被爆者二世の女性(田中)の姿を通じ家族愛や恋
愛を描く物語で、原作は漫画家、こうの史代さんの同名漫画(双葉社
刊、840円)。7月18日から8月24日まで広島ほかで撮影された。
 田中は「被爆して何十年も苦しみながらも、頑張って生きる人がいる
ことを世界の人に知ってもらいたい」と正式出品へ期待。撮影前に役
作りのため広島へ1週間、1人旅をしたことも明かした。ほかに麻生
久美子(28)、中越典子(26)、堺正章(60)らが出席した。

              [ サンケイスポーツ 2006年9月20日5時2分 ]


田中麗奈カンヌ目指す…さまざまな愛の形を

 来年8月公開予定の映画「夕凪の街 桜の国」(佐々部清監督)
のクランクアップ記者会見が19日都内のホテルで行われた。広島
で被爆した女性(麻生久美子)の10年後と、現代に生きる被爆2世
(田中麗奈)の姿を通じ、さまざまな愛の形と、生きることの意味を
問う。原作は漫画家、こうの史代さんの同名漫画で、漫画アクション
(双葉社)に掲載後、単行本化。第8回文化庁メディア芸術祭マンガ
部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞、累計25万部を
突破したベストセラーだ。
 主演の田中は「命の重みを自分なりに感じながら演じた」と語り、
父親役の堺正章は「被爆国日本の集大成、世界の人にも見て
ほしい」と本作にかける思いを語った。来年のカンヌ国際映画祭の
コンペティション部門への出品を目指すことも発表され、大いに注目
を集めそうだ。
                [ 夕刊フジ 2006年9月20日16時42分 ]



今朝の中国新聞に映画の広告が載ってました。楽しみです。
かつて新藤兼人監督の『原爆の子』がカンヌに出品された時、米国
の意向を受けた外務省が、受賞しないよう妨害工作を行ったという
のを最近知りました。今回はどうでしょうか。安倍政権だとね・・・。

エキストラの話は聞きませんでしたが、ロケの現場を目撃しました。
8月13日、中央公園の渝華園の前です。カメラマンと録音と、監督
らしき人と女優が1人、という少人数でしたが、この時期にこんな所
で撮影するのは『夕凪・・・』くらいだよね、と思いながら見てると、
遠目にもその女優さんが田中麗奈に見えました。小柄ですけど、
存在感がありました。やはりプロは違いますね。
教会に向かう車の中でしたので、一瞬のことで写真を撮る暇もあり
ませんでしたが、貴重な体験です。首都圏だと珍しいことではない
みたいですけどね。やっぱり田舎者だな、私。

世界一の「愛妻物語」

2006年09月12日 23時51分37秒 | 映画・ドラマ
今週から無職になってしまいました。会社の都合で契約打ち切りと
なったのです。一応、2週間ほど前に予告を頂きましたが、残りの
仕事をしながら次を探せるわけもなく、これから職探しです。
今日の夜はドラマを見ながら履歴書を書いていたので、更新が遅れ
ました。(投稿時間をちょっぴり巻き戻してます。)

日テレのDRAMA COMPLEX「世界一の『愛妻物語』~乙羽信子と
新藤兼人」
を見てました。
2ヶ月ほど前、偶然が重なって、戦時下の移動演劇「櫻隊」について
調べ始めることになり、映画『さくら隊散る』を撮った新藤監督の著書
を今も読んでいるところだったので、私にとっては何ともタイムリーな
ドラマでした。

私が乙羽信子を知ったのは、NHKの朝の連続テレビ小説「おしん」
でした。当時の私は田中裕子が好きだったのと、子役の小林綾子も
田中も「ひたすら耐えるいい人」を演じ続けていたので、後に続いた
乙羽とはルックスも演技もかなりギャップがあって、あまり好印象が
持てませんでした。「柔和なおばあさま」が似合う人だと思います。
実写版「サザエさん」のフネは、はまり役でしたね。
若い頃の作品は、まだ『原爆の子』くらいしか見てません。

新聞でこのドラマを知ったのですが、最初はミスキャストではないか
と思って、恐る恐る見ました。
ところが、片平なぎさが乙羽信子そっくりなのにびっくり。かぶせて
ある語りの声も、本人かと思うほどでした。ただ、若い頃の場面は
ちょっと老けて見えるし、晩年の場面では皺無しメイクが不自然で、
それまでの好演が台無しでした。
そういえば、「さとうきび畑の唄」の黒木瞳も老け顔メイクを拒否して
顰蹙を買ってましたっけ。
新藤役の寺脇康文は、好青年過ぎてちっともらしくなかったです。

物語的には、二人の生涯を大雑把になぞっただけ、といった感じで、
焦点が定まっておらず、結局何の話なのかよく分かりませんでした。
乙羽の「略奪愛」のようでちょっと違うし、新藤は「愛妻家」には見え
ないし、結局二人とも女優と監督という仕事を愛していただけのよう
な気がします。
・・・そうか、タイトルが悪いんだ。

ゲゲゲの鬼太郎

2006年08月22日 23時46分10秒 | 映画・ドラマ


福屋広島駅前店の「水木しげるロード展」に行ってきました。
水木しげるロードには、昨年夏に行って、妖怪ブロンズ像を見て
きましたので(夜訪ねたので、記念館には入れませんでしたが。
昨年8月30日の記事参照。)、像や原型の展示にはさほど感動
しませんでしたが、「東海道五十三次」のパロディ画集「妖怪道
五十三次」があまりに素晴らしくて、興奮しました。物販コーナー
に本も置いてありましたが、持ち合わせが無かったので今回は
パス。でもいつか買って手元に置いておきたい一冊です。

私は、鬼太郎の第二シリーズ(1971~72年放送の最初のカラー
版)の再放送を見て育った世代です。エンディングの「カランコロン
の歌」は、ある年齢層の人なら一度は耳にしてると思います。
記憶が正しければ、幼稚園の頃から見ていたはずです。覚えて
いるのは、「目目連(もくもくれん)」と「隠れ里」の回です。
白黒版はまだ見たことがありませんが、この第二シリーズは、
原作と同じタッチの画と、同時代の雰囲気がそのままの作風が、
私は好きです。「アンコールワットの亡霊」や「イースター島奇談」
といった冒険譚風の話も結構好きでした。あと、必ずしも「不死身
のヒーロー」でなく、ラストもすっきりしない辺りも。(これは私が
ひねくれてるだけかも知れませんが・・・。)
第三シリーズになると鬼太郎ファミリーの勧善懲悪劇の要素が
前面に出て、なんかつまらなかったんですよね。夢子ちゃんも、
物語をロリータ系に変えてしまったような気がするし。
第四シリーズは、当時テレビを持ってなかったのもありますが、
もう見る気がしませんでした。
現代に妖怪が似合うかどうかはともかく、鬼太郎のキャラクター
や物語は、やはり'70年代までしか通用しないように思います。

それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ

2006年07月19日 03時47分43秒 | 映画・ドラマ
月曜日に、約束通り、娘と一緒に『アンパンマン』を観て来ました。
祝日&雨のせいか、ソレイユのバルト11が超満員で2時間待ちだった
ため、東広島まで車を走らせての鑑賞となりました。

『コキンちゃんとあおいなみだ』
  あらすじ
宇宙からやって来た、ふしぎなタマゴ。アンパンマンが捕まえようと
すると、中からコキンちゃんが飛び出します。「おなかがすいた」と
泣くコキンちゃんの涙で顔を濡らされ、さらにパクパクと食べられた
アンパンマンは、力が出なくなって墜落したところを危うく食パンマン
に助けられました。
一方のコキンちゃんは、バイキンマンのUFOを勝手に乗り回して崖に
激突。そこへドキンちゃんがやってきます。実はコキンちゃんはドキン
ちゃんの妹だったのです。早速バイキン城で歓迎パーティーが開か
れますが、いたずら好きで嘘泣きの名人のコキンちゃんに、バイキン
マンたちは振り回されっぱなし。ドキンちゃんのUFOで再び逃走した
コキンちゃんは、目に入ると悲しくもないのに泣いてしまう涙を振りま
いて、街中を混乱に陥れます。
ところが、誤ってブラックバード?(名前をちゃんと覚えてません)の
巣に落ちてしまったコキンちゃん、雛を泣かせたために親鳥の怒りを
買ってしまい・・・。


中盤以降、原作とは違った展開となりますが、それなりに楽しめまし
た。バイキンマンが悪役でないのも、たまにはいいです。
コキンちゃん役の乙葉は、「萌え系アイドル」という感じの声&歌で、
ターゲット間違ってない?という気もしましたが、子どもはそんなこと
気にしないですかね。
'70年代テイストの主題歌は、結構お気に入りです。乙葉ではなく、
往年の高田みずえ辺りの声で聴いてみたいですね。

『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』
  あらすじ
ある日、アンパンマンは海に漂っていた人形のドーリィを見つけて
パン工場に連れて帰ります。
その夜、いのちの星が降り注ぎ、ドーリィにも命が与えられます。
大喜びのドーリィ。しかし、勝手気ままなドーリィの行動は、みんな
を困らせてしまいます。
「自分のしたいことを好きなだけすればいい」 そう言うドーリィは、
実は、前の持ち主から乱暴に扱われた挙句、捨てられてしまった
悲しい過去を持っていました。
しかし、いくらやりたいことをやっても、心は満たされません。そして
いのちの星が次第に輝きを失い始め、ドーリィを不安に陥れます。
「何のために生まれて、何をして生きるのか」
悩み、苦しむドーリィ。けれど素直になれず、ジャムおじさんたちの
好意を受け入れることができません。街のみんなは、ドーリィの
わがままに辟易していたので、誰も相手にしてくれません。
そんなドーリィを、自分のものにしようとドキンちゃんがさらいます
が、お互いのわがままがぶつかり合い、大ゲンカに。
ところが、バイキンマンたちも巻き込んでの大騒動は、バイキン星
のカミナリを呼んでしまい、バイキンマンが造った新型ロボット
スーパーカビダンダンに強力なパワーを与えてしまいます。
かろうじてバイキン城を逃げ出したものの、失意のうちに波間に
飲まれそうになるドーリィ。間一髪、アンパンマンが救います。
しかしその時、星祭りの最中の街に、スーパーカビダンダンが。
アンパンマン・食パンマン・カレーパンマンの「トリプルパンチ」も
通じないスーパーカビダンダンの圧倒的なパワーの前に、街の
みんなも、アンパンマン号までも、次々と「カビの塔」に変えられ
てしまいます。そして、ドーリィを助けようとしたアンパンマンも
かびだらけに・・・。


こちらは一転、テーマも重く、クライマックスが非常に暗い作品です。
娘が「面白くなかった」と言うのも無理は無いと思いました。
派手な演出や本筋と無関係なエピソードで魅せるわけではない、
ストレートな作風のアンパンマンだけに、対象とする子どもにはちと
受け止めがたい出来になってしまったのではないでしょうか。一緒
に観ている親御さん向けかも知れません。
カビだらけになって、いのちの星が消えてしまうアンパンマン。その
姿を見て、自分のいのちの星をアンパンマンに差し出すドーリィ。
「私はあなたの心の中で永遠に生きる」って、ちょっと危ないなぁ。
最後に、みんながドーリィの死を悼んでいると、再びいのちの星が
降って来て、ドーリィが甦るオチ。せっかく説いた「いのちの大切さ」
が台無しじゃないですか。やなせたかしよ、おまえもか、って感じ。
クライマックスで流れる、バリトンのコーラスによる「アンパンマンの
マーチ」といい、どことなく『ゴジラ対ヘドラ』を連想させたし。
娘の劇場デビュー作品としては、失敗だったかも。

宇宙大戦争

2006年07月08日 23時55分38秒 | 映画・ドラマ
『宇宙大戦争』(1959年東宝)
  あらすじ
1965年、宇宙ステーションが謎の円盤の襲撃を受けて破壊された。
また東海道線の特急列車が鉄橋もろとも空中につり上げられ、墜落
させられるという事件をはじめとして、世界各国で怪事件が次々と
発生した。東京の宇宙科学センターに集った世界の科学者たちに
よって、宇宙人が発射する「冷却線」による物体の冷却と無重力化
がその原因と判明した。これに対抗できるのは、まだ発明間もない
「熱線砲」だけである。安達博士、勝宮、岩村両少壮科学者等は、
早速宇宙センターで「熱線砲」の実験を公開した。ところが、その席
上アーメッドという某国教授が、急に「熱線砲」を奪おうとした。勝宮
の機転でそれが失敗すると、異様な円盤が現れて教授の肉体を
瞬事に融かして去った。後には一片の金属板が残された。教授は
脳にこの金属板を移植され、宇宙人の指令を受けて動いていたの
である。魔手は次に岩村に伸び、彼も金属板を移植されてしまった。
一方、ナタールと名乗る宇宙人は月の裏側に基地を作って、地球
攻撃を計っているのが明らかになった。ナタールに対して地球防衛
軍は基地攻略を決行。原子力ロケット・スピップ二機が「熱線砲」を
積んで月に向け出発した。安達博士や、勝宮、岩村、勝宮の恋人
で科学センターに勤める白石江津子らがそれに乗りこんでいた。
宇宙人の怪電波を受けた岩村の手による妨害も阻止し、スピップ
一号と二号は、月に着いた。一行は火口を利用したナタール基地
に潜入し、苦心の末その中心部を破壊した。「熱線砲」は「冷却線」
に勝ったのである。だが帰途につこうとするとスピップ一号は岩村
の手で爆破されていた。飛び立つ二号機にもナタールの攻撃が
迫った。その時、基地破壊によって正気に返った岩村が「熱線砲」
で単身円盤に挑み、命を賭けて二号機を援護するのだった。
無事に地球に戻った一行により、ナタールの全貌と人類の危機が
伝えられ、全世界の科学力を集結して迎撃体制が取られた。そこ
へナタールの円盤の大軍が襲来する。攻撃ロケット部隊が迎撃に
向かうが侵入を許してしまう。しかし捨て身の攻防と、地上からの
「熱線砲」掃射によって、多大の犠牲を払いながらも遂に敵円盤
を撃滅。かくして、地球防衛戦は地球側の勝利に帰したのである。

                (goo映画より引用 一部修正加筆)

旧ソ連が世界初のロケット打ち上げに成功したのが1957年のこと。
本作が公開されたのは、旧ソ連のロケットが月面到達を果たした
わずか2ヵ月後だそうで、宇宙時代の幕開け、そしてバラ色の未来
を夢見ていた時代に相応しい作品と言えるかもしれません。
ただ、物語は冗長で盛り上がりに欠けます。特撮もかなり控えめ&
出来もいまいちです。関沢新一脚本・本多猪四郎監督・円谷英二
特技監督の黄金トリオ作品とは思えないつまらなさでした。
その中で伊福部昭の音楽だけは光っています。
キャストも、池部良(勝宮)と安西郷子(白石)はまるで駄目。千田
是也(安達教授)も味はあるけど、攻撃隊のリーダーは無理でしょ。
唯一良かったのが土屋嘉男(岩村)今回は宇宙人役じゃないけど、
相変わらずの怪演です。

アーメッド教授を取り押さえるのに、勝宮がボタンを押すと天井から
鉄塊が落ちてくる謎の仕掛け。月に近づくスピップ号に対し、警告
を発するだけで防御策を取らないナタール。基地もほとんど無防備
だし。せっかく地球人を操れるのに、たった一人しか操らないし。
宇宙人がおバカなのは「お約束」だけどね。
SF映画ではなく、コメディと思って見れば楽しめるかも知れません。

『夕凪の町 桜の国』映画化始動

2006年06月20日 23時22分46秒 | 映画・ドラマ
こうのさん作「夕凪の街」映画化  (中国新聞ニュース'06/6/20)

 広島市西区出身の漫画家こうの史代(ふみよ)さん(37)=東京都
中野区在住=の広島原爆をテーマにした話題のコミック「夕凪(なぎ)
の街 桜の国」が、映画化される。下関市出身の佐々部清監督(48)
がメガホンを取り、今夏に広島市内でロケがある。
 単行本は2004年10月に出版。文化庁メディア芸術祭マンガ部門
大賞などを受賞した。広島で被爆した女性の10年後を描く「夕凪の
街」、1987年と2004年の東京を舞台に被爆二世の姉弟らが主人公
の「桜の国」の2部構成。日常を淡々と描く温かい筆致が、若い世代
らに共感を呼び、現在約17万部、韓国やフランスなどで翻訳版も出
ている。
 佐々部監督は、「半落ち」で04年度日本アカデミー賞作品賞を受
賞。監督が所属する東京の映像製作会社などが映画化に踏み切り、
キャスティングを進めている。1955年の広島の街を再現したオープン
セットを埼玉県内につくり、7月20日にクランクイン。8月10日から
広島ロケをする。来年夏に公開予定。
 ロケハンで今月、広島市を訪れた臼井正明プロデューサー(41)
と佐々部監督は「被爆の記憶を引き継ぎ、明日に向かって希望を
持って生きている主人公。現代の家族のきずなの物語として丹念
に描きたい」と語る。
 こうのさんも「佐々部監督から漫画のキャラクターに何度も会いた
い気持ちになるような映画を撮りたい、と聞いた。世界の人に一層
親近感を持ってもらえれば嬉しい」と歓迎する。(円山文雄)


なかなか情報が入りませんでしたが、ようやく動き出したようです。
アニメじゃなくて実写なのね。
キャスティングも含めて、原作の独特の雰囲気がちゃんと出せるか、
多少不安もありますが・・・。期待して来年を待ちましょう。
広島ロケでエキストラの募集とかやらないかな。