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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『深淵の花』

2016-11-24 06:51:02 | 美術ノート

 『深淵の花』

 深淵…底の知れない深み、恐怖の地獄、想像を超えた深い悲しみの坩堝。
 山の谷間というよりも人間の内部の底の底に咲く花。
 馬の鈴が植物の成り立ちの法則を無視した葉に包まれ、花に模して咲いている。

 馬の鈴、動けば鳴る馬の鈴は生きて在ることに同化している。生きていく上の止む無い感情の告発、喜怒哀楽の声の響き、人の発する叫びを馬の鈴に委ねている。
 鈴は人の声を暗示し、自身の内部の声や他者の外部からの声(噂、伝言…)などあらゆる響きを内包しているのではないか。

 それを深く静かな胸の奥底沈め、黙している。心の底、深い闇の中に収めていれば、一つに集結し、苦もまた一つの花になるという逆説的な肯定である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展・図録より)


『城』2490。

2016-11-24 06:17:39 | カフカ覚書

もちろん、守備よくその娘さんを手に入れて、それからは、万事がまたうまくいったということですわ」
「そういう男なら、ぼくの気に入りそうですな」


☆もちろんその入り口を手に入れてからは、すべてがうまくいったということです」
 「そういう人なら気に入るという気がします」