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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『与えられたとせよ:⑴落ちる水、⑵照明用ガス』

2016-11-09 06:44:08 | 美術ノート

 『与えられたとせよ:⑴落ちる水、⑵照明用ガス』

 解り難い表現である。
 つまり、⑴落ちる水は水地球における重力を言い、⑵照明用ガスは太陽光を散乱して光らせる大気(気体=ガス)を言っている。
 これらが生命体の前提条件であると。

 レンガの枠の中の古びた木製ドアは、人類の幾多の変遷を経た歴史を象徴し、小さな覗き穴から見える光景は青い空と白い雲、林や川の水が流れる原始地球につながる景である。
 草原には、性器を露わに見せ仰向けに寝転んでいる裸体の女性が見える。手に持ったガス燈は叡智の証、生きる術である。(人類の祖、DNAは女性でしか遡れないと聞いている)

 『与えられたとせよ:⑴落ちる水、⑵照明用ガス』は、地球という星の奇跡、時間(歴史)の経由を垣間見せ、人類の誕生を暴力的なまでに承認させている。

 落ちる水は、億年の静かな循環として雨となり地上に降り注ぐ。
 照明用ガスである地球を取りまく大気は、赤道と極との間で熱輸送を行っている。
 これら与えられた条件の中に、わたしたちの性の連鎖、社会が形成されて《今》がある。


(写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク/TASCHENより)

  


『城』2476。

2016-11-09 06:09:44 | カフカ覚書

ところで、あんたが言う城の影響は、どこにあるのですか」と、kはたずねた。「いままでのところ、城はまだ干渉していなかったようですがね。


☆ところでこの中に、城(死あるいは推論)の影響はありますか、とKはたずねた。さしあたりまだ先祖は入っていないようです。