〔伏見先生の授業〕
鈍なわたし、何とか制作過程を終了することができました。5回目の『猿ぼぼ』も、ちょっとしたコツや、大きな勘違いを是正されて無事終了したときの安堵!
講習生8人皆それぞれの一本飾りを飾り棒に吊り下げて職員(渡部さん)に写真を撮っていただきました。
先生の剛毅なご性格もあってか、みんな一生懸命付いていくという空気には緊張みなぎるものがあり、終いには《5回(5日)も行くの?》という気持ちが《5回で終わってしまうの》という惜別の念に変わっていました。
楽しすぎて浮かれ気分の1か月、出来上がったのは嬉しいけど、少し寂しいです。
伏見先生、ざっくりしたご指導ありがとうございました。おかげで自立できるかもしれません。是非是非お続けになってください、お願いです。
『無題』
男と女の図である。
男はシルエットからして着衣は山高帽・コート、靴は少なくとも労働者のそれではないことから想像される身上である。
女は身分・職業不詳であるが堂々とした体躯(ピルボケではあるが)から太く強い枝葉を生育しており、見るからにエネルギッシュである。
地上におけるバックは空白であり、空は微かに黄みがかっている、つまり現実ではないことの暗示であり、想定されたこの空間は異世界(冥府)とみて差し支えないと思う。
あの世の両親ではないか・・・。
男に描かれた音譜はどこか単調であり、存在自体が紙のように薄っぺらい。
女の立派な体躯は立体であり、存在自体に影が出来ている。
平面なので解り難いが、構成を三次元に想定しなおすと、手前の男に比して背後に立つ女は非常に大きいということが判明する。(人間の比を超えた大差である)
お父さん、お母さんに対する思慕の相違かもしれない。目を瞑った世界に浮かぶ亡き父母の姿だと思う。
(写真は新国立美術館『マグリット』展・図録より)