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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『神の客間』

2015-07-27 06:57:34 | 美術ノート
『神の客間』・・・月の光、星が瞬く神秘的な空間である。

 月は二十六日(くらい)の月、この月が星空の深夜に在るはずがない。在るはずがない光景を描くために選択されたこの月(二十六日の月は深夜に出現しない)。
 雲がかかり虹色の暈が見える。雨の予兆であるが、神秘的なムードを醸し出し神々しいとも思える光景である。


 邸宅と丈高い樹木に囲まれた庭、中央に立っている男は牧師さんだろうか。小さな図版で判別が難しいけれど、祈りを捧げているのかもしれない。

 客間というからには特別のもてなしが施される部屋(空間)という意味だと思う。
 神さまが出現なさる特別な空間である客間はこのようである。
 
《非現実》
 現実の猥雑さを否定した神々しさ、世間を隔絶する丈高い樹木(林)、月は虹色の暈で飾られ、祈りの対話をする人…精神的な場所と言えるかもしれない。

 神の客間は、現世の渾沌にはなく、異世界の虚空間にこそ現出する。明らかなる疑似的世界に開かれた妖気漂う現場は現実の条理を否定している。
 繰り返すけれど、この二十六日の月を闇(夜)に描くこと自体虚偽の月、虚偽の幻想空間なのである。

(写真は『マグリット』㈱美術出版より)

トリテツ。(熱い人たち)

2015-07-27 06:27:47 | 日常
 トリテツ・・・TVなどで見かける人たち。新しい電車や機関車などを熱心に写真に収めている光景。

 フウン…あの熱意、欲しいなぁ。
 何事にも無関心のデクノボー、狂うほどに熱くなったことがない。ああ、身体能力の衰弱なんか忘れて突っ走りたいなぁ!と思う。

 先日鎌倉へ出かけた折見かけたトリテツの人たち。(えっ、この人たちなの、トリテツって?)
 JR逗子駅の周囲、駅の外にも駅の内にもカメラを構えた人の群れ。

《なに、何なの?》

 ざわざわする熱い空気が門外漢のわたしにもひりひり。高校生くらいの男の子に聞いてみた。
「何なの?」
「はい、スーパーあずさです」「・・・」
 わたしが乗っている電車のわきに停車している超近代的なデザインの電車、(ああ、これなの)それにしても、ホームのない引き込み線のようなところに停車しているけど(何してるのかしら)というわたしの薄い感想。

 大体、こんなところに停車していることを彼らはどうして知ったの?マニアの情報ってスゴイなぁ。ここまで追いかけてくることがスゴイよ、すごい情熱だよ。分けて欲しいなその情熱。


 ああ、一歩外に出るといろいろな光景に出合う。鎌倉駅ではどう見ても70代くらいの男が電車に乗った60代くらいの女性に手を振っている。女も手を振り返している。一度ならず何度も電車が発車するまで繰り返された光景。電車が出るとホームにいた男は(やれやれ)としか見えない様子で人ごみに消え、車内の女も(やれやれ)という風に肩の力を抜いてシートに腰かけた。女はワンピース姿、思いっきりのオシャレという感じ。
 長寿の時代、こういう光景も珍しくなくなるかもしれない。

 みんな熱くなって、いい人生を満喫できたと思うことが一番!(わたしも頑張れるかなぁ、ダメかも・・・)

『銀河鉄道の夜』29。

2015-07-27 06:19:58 | 宮沢賢治
すると町の家々ではこんやの銀河の祭りにいちゐの葉の玉をつるしたりひのきの枝にあかりをつけたりいろいろ支度をしてゐるのでした。


☆懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)を荷(身に引き受ける)果(報い)を吟ずる講(はなし)である。
 裁(さばく)要(かなめ)は、霊(たましい)を試す旨(考え)の図りごとである。

『城』2034。

2015-07-27 06:04:47 | カフカ覚書
まったくばかばかしいことだが、シュヴァルツァーのおかげで、村に着いた最初のしゅんかんから当局の全注意力がおれにむけられてしまったのだ。


☆完全に無意味だと悟ったけれど、シュヴァルツァー(影の人)のおかげで、来世についた最初の時(死期)からすべての注意を守っていたのだ。