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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

笑える自分。

2013-11-20 07:11:54 | 日常
「女の顔は領収書」と言った人がいる。

 わたしたち世代・・・Araund六十代(七十か)を超えてくると、女の相も様変わりしてくる。順風満帆、何事もなく平和に過ごして来た人と、艱難辛苦を潜り抜けてきた人とでは明らかに違う。シミ、皺を言うのではなく、醸し出す雰囲気に差異が出てしまう。

 何事もなく過ごせば、多少ボォーッと間の抜けた感じが身に着くし、戦火を潜り抜ければ厳しくも強い意志の表情になる。どちらがどうということでもなく、それぞれの人に、それぞれの表情が刻まれていく。

 人の顔を汚すものは、シミや皺ではなく、邪悪な考えに他ならない。人を妬み、嫉み、蹴落とすような悪意を重ねた人の隠しようのない眼差し・・・これだけは辛い。
 全ての事には因果がある。
 どんな境遇に曝されても、恨まず天を仰ぎ見る、そういう人でありたいと願いつつ、自らの翳りをそぎ落としてきたつもりである。

 
 これからは老醜を曝さざるを得ない年代に入る。
 わたしの不細工は生れ付き・・・これで生きてきたのだから、これで生きるしかない。
 否定しがたい老境のなかで、せめて薄汚れた感情だけは断固拒否できる信念の人として、真であり善であり美を尊ぶ生活をしたい。永遠の正義と優しさに包まれて人生を全うしたい。
 これでいいのだと笑える自分でありたい。

『ポラーノの広場』155。

2013-11-20 06:55:50 | 宮沢賢治
 するとデステゥパーゴはちょっと首をまげて考へました。どうもわたくしのことを見たことはあるが考え出せないといふ風でした。するとそばへ一人の夏フロックコートを着た男が行って何か耳うちしました。デステゥパーゴは不機嫌さうな一べつをわたくしに与へてから仕方なさうにうなづきました。


☆主(中心となる)講(話)が現われる。考えを推しはかると、普く逸(隠れた)図りごとが解ける。
 惹きつける談(話)の考えは化(形、性質を変えて別のものになる)で、示される。
 普く企(計画)を兼ねている。
 逸(かくれている)余(本筋の他のもの)は、詞(ことば)に包まれている。

『城』1450。

2013-11-20 06:31:13 | カフカ覚書
お内儀は、ひと域つくような格好で唇をいくらか上向きかげんにとじて、立ったまま紳士と書類をだまって見おろしていた。どうやら言いたいことは語りおわって、相手に十分聞いてもらえたというような様子であった。

 唇/Lippen→Lappen/意気地なし、弱虫。
 書類/Papiere・・・身分証明書。

☆お内儀(言葉)は、いくらか弱虫の先祖をかばうように、大群(大勢の死んだ人々)の身分証明書を静かに見極めていた。
 死に必要な言い分は十分取り入れられたように見えた