特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

「三一節(サミルチョル)」をご存知ですか?

2005-03-01 14:43:03 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温-4度。最高気温5度。外出日和。韓国は「三一節(サミルチョル)」で祝日。

 最近、祝日に「日章旗(日の丸)」を軒先に掲げている家はごく稀だろう。「旗日(はたび)」という言葉が一発変換されないところからして、もう“過去の慣習”になりつつあるようだ。

 しかし、ここ韓国ではまだまだ「旗日」は健在だ。今朝外に出たら、私の家の管理人さんの家の軒先にも韓国の国旗である「太極旗」が翻っていた。今日が「三一節(サミルチョル)」であるということを実感させられる。

 1919年3月1日の正午にソウル市内にある「パゴダ公園(現在のタプコル公園)」で「独立宣言文」が読み上げられ、日本の植民支配からの「独立」を願った民衆が「太極旗」を手に手に独立運動を始めたのが今日なのだ。
 「パゴダ公園(現在のタプコル公園)」近くでは「太極旗」を手にした市民達のパレードなど、「三一節」に因んだ様々な記念行事が開かれた。ノ・ムヒョン大統領柳寛順(ユグァンスン)記念館で演説し、「過去の真実を究明し、心から謝罪、反省し、賠償すべきことがあれば賠償し、そして和解しなければならない」と述べた。

 日本政府はノ・ムヒョン大統領の「メッセージ」を真摯に受け止め、韓国政府そして韓国民が納得出来るような誠意ある態度を見せるべきだと思う。日韓国交正常化の際に「過去の清算は終わった」という日本政府の“通り一遍”の回答だけでは韓国はもちろん、他のアジア諸国からも永遠に理解と信頼が得られないだろう。

 日韓国交が正常化して四十年目の今年は「日韓友情年」である。市民レベルの交流は政治レベルの交流よりも遥かに重要だが、政治レベルの話し合いが“上手く行けば”より一層両国間の交流が深まり、盛んになるのではないか?その時初めて日本と韓国との間に「真の友情」が芽生えるものと私は思う。

 今、日本と韓国では「竹島(韓国では独島(ドクト)と呼んでいる)の領有権問題」が物議を醸(かも)している。先日「日本地理学会」が実施した調査で、大学生の十人に一人、高校生の約四人に一人が「北朝鮮」の位置を正しく示すことが出来なかったという結果が出たが、果たして「竹島」が日本のどこにあるか、正しく知っている大学生や高校生はどれほどいるのだろうか?「日本の領土」である「竹島」の位置を正しく示せないほうが、「北朝鮮」や「イラク」そして「米国」の位置を正しく示せないことよりも“深刻な問題”ではないだろうか?
 ちなみに韓国の「天気予報」では必ず「独島(ドクト)=竹島」の予報も見ることが出来る。日本の天気予報でも「竹島」の予報を出せば良いと思うのだが、いかがなものだろうか?

 今日は仁寺洞(インサドン)にある。「サムジキル」という最近オープンしたショッピングモールに出かけた。土地柄からか小さなギャラリーや古美術、そして伝統工芸品を売るおしゃれなお店が所狭しと並んでいる。新たな“観光名所”となることだろう。祝日とあって、このショッピングモールのみならず、仁寺洞一帯が大いに賑わっていた。

 「“三一節”に出歩いて日本人だとわかったら、韓国の人たちに何をされるかわからないから、家の中に一日中じっとこもっていたほうが安全だ!」というのは遥か昔の話であり、韓国の人たちに対する日本人の大いなる偏見に他ならない。

 写真は多くの人たちで賑わう「仁寺洞(インサドン)」のメインストリート(「サムジキル」の最上階より撮影)。

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