特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

「うつ病」で辛い思いをされているあなたへ。そして周囲の方々へ。

2005-06-02 00:25:39 | 韓国留学記
 雨のち曇り。最低気温18度。最高気温24度。

 韓国の病院で処方してもらった抗うつ薬の効果がようやく表れてきたようです。
 おかげで、「うつ病」に関する書籍やサイトを冷静に読んだり、見たりできるようになりました
 体調が思わしくない時は、とてもじゃありませんが、好きな分野の本を読む集中力さえ無くなるし、「うつ病」に関連したサイトを見ただけで症状が余計に悪化しそうな気がするので、極力見ないようにしています。特に「うつ病」で苦しんでいる患者さんからの掲示板への書き込みなどは、自然と感情移入してしまって、冷静に読んでいられないのです

 某公共放送で去る五月二十八日に放映された福祉関連番組うつ病を取り上げたところ、視聴者からの反響が大きく、再放送が決まったようです。
 
 再放送の日時は以下の通りです。
 2005年6月18日(土)14:35~16:35(教育テレビ)
 
 「うつ病」で苦しんでいる方はもちろんですが、「うつ病」で苦しんでいる方の家族や友人そして職場の同僚や上司の方々にも見ていただけたらと思います。

 番組では、人はなぜ「うつ」になるのか、治療はどのようにするのか、家族はどう接すればいいのか、最大の壁である職場復帰をどう支援するのか。防衛医科大学校教授の野村総一郎さん、患者支援団体代表のほか、女優の高木美保さん、うつを経験した俳優さん、さらに企業のビジネスマンなどを迎え、二時間にわたって語り合っていくそうです。

 最近「うつ病」に対する関心が高まり、理解されつつあるということは、患者の一人である私としても大変嬉しいことです
 決して「特別な病気」ではないということを一般の方々に認識させたという意味で、有名な俳優さん女優さんたちが次々と「うつ病」であることを告白されたのも影響が大きかったと思います。

 いくら周囲の理解が以前より高まったとはいえ、自分が「うつ病」であることを告白するのは、一般の人でもとても勇気がいることです。ましてや、華やかな芸能界の第一線で活躍されている方々が「自分の病気」について堂々と語るというのはよほどの“覚悟”をされた上でのことと察します。

 「うつ病」は患者さん本人の「治りたい!治したい!」という気持ちが大事です。

 しかし、それよりもっと重要なことは、周囲にいらっしゃる方々の「理解と協力」です。これが得られるのと、得られないのとでは回復までの時間が大幅に変わってきてしまいます。

 「うつ病」の患者さんはガソリンもエンジンオイルも切れてしまった“自動車”のような状態です。そんな“自動車”を患者さんは、今まで無理して「動かして来た」のです。そんな“自動車”に「頑張れ、もっと走れ!」と言っても走れないのは当然です。
 「うつ病」の患者さんは几帳面で責任感が強い方が多いので、“自動車”のボディーはいつも綺麗にワックスをかけてピカピカです。だから、余計に「ガス欠、オイル切れ」が見落とされてしまうのです。

 私も「うつ病」で苦しんでいます。
 体調が思わしくない時は、本当に何一つ出来ません。布団から起き上がることも、食事をすることも。「うつ病」の患者さんは、そんな何も出来ない自分を責めてしまいます。責めて責めて責めまくります。だから、自分の「存在価値」を見失い、自らの体を傷つけたり、命を絶とうという行為に走ってしまうのです。ある患者さんは「自分の体を傷つけて、痛みを感じる時にだけ“生きている”と実感する」とおしゃっています。

 そんな時こそ、周囲にいらっしゃる方々の「理解と協力」が不可欠です。
 患者さんが一人で病院へ行けそうになかったら、一緒について行ってあげる。薬をちゃんと飲んでいるか確認してあげる。かなり辛そうだったら、傍(そば)にいてあげる。自分の彼氏や彼女だったら、何も言わずに“ぎゅっと抱きしめて”あげてください。たった、それだけのことで患者さんは自分の「存在価値」を見失わずに済むのです。

 “誰かに必要とされている”と思っただけで、患者さんの心は“癒され”ます。“一人ぼっちじゃないんだ!”と思えたら、元気が湧いて来るのです。

 周囲にいらっしゃる方々も辛いと思います。「うつ病」で苦しんでいる方のことを“理解出来ない”時もあるかも知れません。しかし一番辛いのは「うつ病」の患者さん本人であるということを、決して忘れないでいただきたいと思います。

 「うつ病」は病院で適切な診断と治療を受け、主治医の先生の指示に従って、休養し服薬を続けることによって、「必ず治る病気」です。「病気」なのですから、必ず「治ります」。抗うつ薬は服薬を始めてから二週間くらい経過すると効果が表れてきます。ですから、「効かない!」からと言って服薬を勝手に止めないようにして下さい。

 「うつ病」の患者さんは、苦しくて、辛い思いをしているのは、この世界中で自分一人だけのように感じています。自分一人だけがこの世の中から取り残されているような気がして、不安で不安でたまらないのです。本当に治るのか?回復するのか?疑心暗鬼を生じているのです。

 先ほども申し上げましたが、そんな時こそ、周囲にいらっしゃるあなたの「理解と協力」が不可欠です。あたたかい目で、広い心で患者さんを受入れてあげて下さい。優しく包んであげて下さい。

 今も「うつ病」に苦しんでいる特上カルビからのお願いです

 写真は昨日(6/1)のブログに引き続いて、韓国の代表的な人形作家であるイ・スンウン(이승은),ホ・ホンソン(허헌선)夫妻による作品。作品名は『登校(テゥンギョ=등교)』(お母さんは「忘れ物はないかい?」と言っているのでしょうか?お姉ちゃんは学校に遅刻しないか心配です)。
 この人形たちを見ていると、心があったかくなって、本当に癒されます

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