特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

眠れない夜には

2005-06-05 23:51:56 | 祈り
 晴れ。最低気温16度。最高気温29.1度。蒸し暑い~!

 九時からの礼拝に出席するため七時過ぎに家を出た。

 バスでソウル駅へ出て、いつものように朝食。明日(6/6)月曜日は顯忠日(ヒョンチュンイル=현충일:国のために命を捧げた人達を弔う日)で休日だ。連休になるので普段より駅構内は混んでいるかと思ったが、思ったより静かだった。

 コンコースに設置してあるテレビでは作家でノーベル文学賞受賞者の日本人作家へのインタビュー番組を放送していた。どんなインタビューなのか気になって、テレビの前に行ったもののボリュームが小さい上に、日本語に被せて韓国語が流れていたので、残念ながらよく聴き取ることが出来なかった。

 いつも思うことだけれど、ソウル駅の周辺はもとより駅構内まで何故にあんなにホームレスの方々が多いのだろうか。駅舎が新しくなった分、余計に目立って仕方が無い。
 
 それに、駅構内の列車の発着アナウンス。出発する列車について案内するのは理解できるけれど、列車が到着する度に「○時○分○○駅発○○号は○番線に到着致しました」という案内放送をする必要が果たしてあるのでしょうか?電光掲示板を見れば分かるとおもうのだけれど。
 
 韓国の国鉄は航空機に対抗意識を燃やして、空港でのアナウンスを真似ているとしか思えない。でもソウル駅は東京駅や上野駅そして新宿駅みたいに広くないし・・・。駅に到着した人と迎えに来た人が、迷って会えないということは考え難い。しかも携帯電話が日本以上に発達している韓国で・・・。謎だ。

 朝食後、謎を抱えたまま駅前からバスで教会へ。
 この路線バスの運転手さん、笑顔こそ見せないもののお客さんへの挨拶を欠かさない。乗ってくるお客さん一人一人に「おはようございます(アンニョンハセヨ=안녕하세요?)」と声を掛ける。最近ソウルでもそういう運転手さんが徐々に増えて来たが、日本に比べると圧倒的に数は少ない。この運転手さんの偉いところはバスを降りるお客さん一人一人に対しても大きな声で、きちんと挨拶を欠かさなかった点だ。「ありがとうございました。良い一日を!(アンニョンイ ガシプシオ。チョウン ハルデシプシオ。=안녕히 가십시오. 좋은 하루되십시오.」因みに、韓国の路線バスの運転手さんは日本と違い、車内・車外アナウンス用のピンマイクは付けていない(マイク自体が無い)。
 
 日本も東京ではバスの運転手さんがお客さんに挨拶をしても、挨拶を返す人はごく僅かだ。それはソウルでも同じ。ほとんどの人が無視してそのまま席に座る。軽く会釈したり挨拶を返す人は年配の女性のお客さんが多い。今日も沢山のお客さんが乗って来たが、運転手さんに挨拶を返したのは日本人の女性のお客さんだけだった(外国でそんな場面に出くわすと、改めて日本人の礼儀正しさや律儀な面を感じる)。

 この運転手さん、礼儀正しいのは良いのだけれど、運転はやっぱり荒かった。急発進、急加速、急停車を繰り返しながら、日曜日のソウルの街をバスは猛スピードで“疾走”する。
 ソウルに長く住んでいるせいで、乱暴なバスの運転にすっかり慣れてしまった私は、最近東京のバスに乗る度にイライラしている自分に気づく。あまりにも安全運転だからだ

 今朝も事故に遭うことも無く、無事に教会に着いた。交通事故発生率が高いソウルにあっては、それだけでも充分感謝に値する。
 ソウルの年間交通事故件数は車一万台当たり217.8件で東京は148件である(2001年度サイト資料より)。

 今日の説教の箇所はエレミヤ書の2章19~23節/6章1~14節。
 パク・ジョンギル(박종길)牧師先生による説教。

 簡単に要約すれば「今、たとえどんなに辛くとも、暗い道を歩いていようとも、全ては主のご計画の中にあります。そのことを決して忘れずに、主に委ねれば豊かな祝福が待っています。私たちにはどんなときにも主が共におられます。私たちには勝利が約束されています」という説教であった。先週は身の回りに色々なことが起きたので、元気付けられた。賛美も素晴らしかった。

 毎月第一主日は聖餐式(せいさんしき)が行われる。十字架の上のキリストが“流された血”と“裂かれた肉体”を表わす“ぶどう酒”と“種無しパン”をそれぞれ頂くことにより、主の十字架での死を覚えるのである。私もしっかり聖餐に与りました。

 説教の中でパク牧師が「私は夜、どうしても眠れない時は聖書を開くんですよ。そうするとすぐ眠れるんです。このことは、他の人には内緒ですよ」と言って笑いを誘っていた。牧師先生でも聖書を読んで眠たくなるものなんだ~なんて考えたら私まで可笑しくなった。私もこれから抗うつ薬の代わりに、枕元で聖書を開いてみようかな?抗うつ薬より色んな意味で効き目がありそうだ
 
 先週は朝食後に飲んだ薬のせいで礼拝中“睡魔”との闘いを繰り広げてしまったので、今朝は薬を飲まなかった。おかげで礼拝に集中できました。感謝!

 その代わり、お昼前に家に戻ったらあまりの暑さと、うつ病の症状が一気に襲ってきたので、薬を口に放り込み、倒れこむようにして眠ってしまった。爆睡。

 追記(6/6):ソウル駅での列車到着のアナウンスについて
 
 2002年に韓国語教師研修過程を受講した。その中で「現代韓国社会(현대 한국 사회)」という講義があり、韓国の識字率の話しがあった。その時のメモを見ると96%と書いてある。講義を担当された延世大学(연세대학교)の教授によれば、実際はもっと低いだろうとのことだった。何故なら、現在の高齢者(特に女性の場合)は家庭の事情や朝鮮戦争などの国内事情により、満足に教育の機会が与えられなかったからだと言う。
 確かにソウルに暮らしていると、地下鉄の駅やバス停などで年配の方から「○○に行きたいのだけれどどこから乗ればいいか?」とか「○号線に乗るのはどこに行けばいいのか?」という質問をよく受ける。バスや地下鉄の路線や駅構内の構造が複雑なせいもあるかも知れない。しかし文字が解せなかったり、あるいは目が不自由な場合も充分に考えられる。
 それらのことを勘案すれば“列車到着のアナウンス”も必要なのかも知れないと思った。自分中心の考え方を反省

 写真は昨年(2004年4月1日)高速鉄道(KTX)の開業に合わせて、旧駅舎より移転新築されたソウル駅の正面入口。ガラスを多用し、以前と比べ断然明るい駅になった。仁川(インチョン)国際空港のターミナルビルを意識しているのだろうか(先週の日曜日の朝(5/29))に撮影)。

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2 コメント

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バスとICカード (チロル)
2005-06-08 00:45:38
 特上カルビさんこんばんは。K-POPパラダイスのチロルです。



 ぼくは韓国に長期滞在した経験はないのですが、ソウルで市内バスはときどき乗ります。3年くらい前からでしたでしょうか、市内バスもICカードで乗れて便利です。あるときソウル旅行の最終日、手元に現金がほとんどなくなって往生しましたが、ICカードに7000ウォンほど入っていたので、空港バスに乗ることができました。



 去年の夏にソウル市内のバスの系統が大きく変わり、道路もカラフルになりました。ぼくがよく立ち寄る「ソウル市庁舎2階のインフォメーションセンター」でバス路線図をどっさりもらいましたが、いまだによくわかりません。



 それではまた。





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ソウルのバス路線 (特上カルビ)
2005-06-08 06:36:10
チロルさん、コメントありがとうございます。



チロルさんのブログに遊びに行くと、懐かしい?韓国アーティストの名前が載っていたりして、いつも楽しく読ませていただいてます!



ソウルの路線バスは路線もバスの番号も一挙に変わってしまったので、本当に大変でした。バス停の位置も知らぬ間に変更されていたりして・・・。



ソウル市民でも自分がよく利用するバス以外の路線はあまり詳しくないと思います。逆にバスを乗りこなせるようになったら、もう立派なソウル市民と言えるのではないでしょうか?
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