特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

書見台記念日

2005-08-03 23:02:19 | 韓国留学記
 曇り。一時雨。最低気温23.6度。最高気温27.7度。暑くは無いが湿度が高く一日中ジメジメ・・・。

 韓国の大学図書館は朝早くから夜遅くまでほとんど一年中開いている。閲覧室だけなら24時間開放している大学も多い。学校近くで飲み歩いて、終電に乗り遅れた学生が図書館で一夜を過ごすことも珍しくないようだ。もちろんそんな学生はほんの一部だ。大部分の学生はきちんと勉強に勤(いそ)しんでいる。その勉強の仕方が半端ではない。朝から晩まで食事とお手洗い、そして携帯がかかってきた時以外は閲覧席でひたすら勉強しているのだ。特に試験前はそんな学生達で閲覧室は溢れかえる。

 韓国の大学の図書館の閲覧室に行くと、書見台を使っている人の多いことに気付くだろう。しかも木製のしっかりとした書見台だ。その上に分厚い原書などを載せて一心不乱に読んでいる姿は、日本の大学の図書館ではなかなかお目にかかれない。

 韓国の場合は、日本と違って図書館で過ごす時間が圧倒的に長い。特に夏場の暑いこの時期にはエアコンの効いた閲覧室のほうが、扇風機だけの自分の部屋よりも快適で必然的に勉強もはかどるからだ。最近は冷暖房付きのワンルームマンションなどを借りる学生も増えてきた。しかし、まだまだ賄(まかな)い付きの下宿や学校の寮などで暮らしている学生もかなりの数に上る。そんな彼ら(彼女ら)の住環境は恵まれているとは言い難いのだ(因みに私は、図書館の閲覧室の雰囲気が何となく苦手で、家のほうが集中出来る)。

 それだけ長い時間本を読んでいると、当然のことながら非常に疲れる。そこで書見台が図書館での必需品となるわけだ。確かに書見台を使うと姿勢を崩すことなく、本を読めるので体に優しい。そして閲覧席の狭いスペースを有効活用出来るという利点もある。中には書見台を二つ並べ、さらに机の上にもう一冊の本を広げているというツワモノまでいる。

 私は今まで書見台の必要性を感じなかったが、このところ連日のように活字を追う生活をしているせいか、首、肩、腰がパンパンに張って仕方が無い(今までいかに勉強していなかったのかがバレてしまうが・・・)。時間を見てはストレッチや軽めのトレーニングをして体を動かすようにしているのだが、一向に改善の兆しが見えない。そこでとうとう、今日(8/3)書見台を手に入れた。

 木製のしっかりとしたものにしようかとも思ったが、何しろ重い上に保管スペースも取るので、価格も安く、場所を取らないプラスチック製のものにした(写真)。


 実際に使ってみて、この手の書見台が日本で使われない理由の一つが解かった気がした。韓国の書物は横書きが一般的だが、日本の書物は縦書きが未だに多数を占めるからではないだろうか?下の写真をご覧いただきたい。ページを押さえる部分が横書きの場合はさほど気にならないが、縦書きの場合は完全に文字の上にかぶさってしまうのだ。こうなると非常に読みづらい。

  


 もちろん、もっと高級な書見台ならページを押さえる部分もずっと細く出来ていて、可動範囲も広く、縦・横書きに関係なく楽に読むことが出来るため問題は無い。しかし私が手に入れたものは縦書きの書物にはどうやら不向きのようだ。

 それにしても、書見台を使うと本を読むのがとても楽だ。姿勢を崩さないので、集中力も増す。首、肩、腰に余計な負担をかける心配も無い。ソウル暮らし四年目を前にして、ようやく書見台の威力を実感したカルビであった。

「このままじゃ肩凝るね」とカルビが言ったから八月三日は書見台記念日


《寸評》カルビさん相当お疲れのようですね(評者)。


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