労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

少しばかりの休戦

2009-05-06 01:49:58 | Weblog
 考えてみれば去年の今ごろから、世界経済は本格的な不安定機を迎え、それに追い回され続けていた。

 それでマルクスの森林窃盗事件をやりますという話は、結局、どこかへ行ってしまって、集めていた資料も行方不明である。

 しかし、ここへ来て世界は一定の安定期を迎えようとしている。もちろんこれは次の段階へ進むまでのほんの息抜きの期間にすぎないのだが、それでも1、2ヶ月ほどの間、断崖から滑落するような恐怖にさいなまれて、夜も眠れないということがないのは儲けものである。

 そして、日本の政治も、政治決戦を前にした膠着状態に入りつつある。これはいつまで続くか分からないが、この期間が終われば、その後、一気に解散総選挙へと向かうことになろう。

 つまり、われわればかりではなく、すべての政治勢力に貴重な時間が与えられることになったのであり、この時間をどのように費やすかによって、その後の展開に大きな差が出てくるであろう。

 戦線を立て直すのもよし、戦略を練り直すのもよし、各政治勢力がそれぞれ自分たちのできること、やらなければならないことをやればいいのだろうが、われわれはやはり挫折した森林窃盗事件をやろうと思っている。

 この事件はヘーゲル法学派であったマルクスが、マルクス主義者になる大きなきっかけになった事件だが、マルクス自身は『経済学批判』の序文のなかで「当惑した」といっており、月並みな意味で、この事件をきっかけにマルクス主義者になったという意味ではなく、この事件をきっかけにヘーゲル法哲学の限界を感じたという意味であり、それに取って代わるものを探し求める過程でマルクス主義者になったのである。

 だから『ライン新聞』に掲載されているマルクスの森林窃盗事件の論文は相当「当惑している」(混乱している)のである。

 また、この事件は1840年代のドイツにおける人々の窮乏化を背景にして起きているので、今日的な意味も大きい。

 今度こそは、挫折しないように取り組みたい。