労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

 日本で何が起きているか?

2008-11-19 13:30:32 | Weblog
 麻生政権が誕生して以来、意味不明な事件が続いている。

 “まともな人間”にとっては意味不明でも、“日本の再軍国主義化計画”のようなものがあって、その計画が頓挫したために、いろいろなところでその担い手たちが自暴自棄になって“暴発”しているのであるといういう仮定を立てるなら、もろもろの事件はすべて一つのものとしてつながってくる。

 彼らの“計画”の歯車が狂いはじめたのは、先の参議院選挙で自民党が敗北したからであり、自民党が選挙に敗北したのは当時発覚した5000万人の年金未記載問題であったとするなら、その“戦犯”はそれを遂行した“厚生官僚”であり、そういった“国賊”を討伐することは“天誅”ということになるであろう。実際、この事件を“天誅”であるという右翼もいる。

 小泉政権のもとで、右翼と自民党は蜜月時代を築いてきた。右翼は自民党に接近し、自民党の国会議員の一部は右翼思想に共鳴して、両者の融合は進んだ。

 ここから自民党政権を利用して、日本の政治を右傾化させ、日本を再軍国主義化しようという右翼の大戦略が出てくるのだが、彼らの戦略は参議院選挙での敗北と安部晋三政権の“夜逃げ”にも等しい政権投げ出しで完全に頓挫した。

 安倍内閣のつぎの福田政権のもとでは、彼ら(右翼なのか自民党員なのか区別が判然としない国会議員)はしだいに政権の脇に追いやられ、捲土重来を期した麻生内閣のもとでも、彼らに再浮上の場はなかった。

 われわれは何度も指摘しているのだが、彼らの主張全体が、現在の情勢と人々の意識から完全に乖離しているために、やることも言うこともひどく場違いであり、何をやっているのか分からないという現状になっている。

 そしてこのことが彼らをいらだたせて、各種の“暴発”へと導いている。

 しかし、今回の事件は殺人事件であり、すでに二人の人間が殺害されている。このことの政治的な意義は彼らが思っている以上に重大である。

 この結果の重大さが、彼らをさらなる“暴発”へと導くのであれば、日本資本主義とその上部構造であるブルジョア民主主義そのものが破綻の第一歩を踏み出すことになろう。