SCUM’S BLOG
満たされている時は
満たされている事に気付かない
むしろ枯渇すら感じる
 



まぁ、ここのブログを覗いてくださっている方はたぶんご存知の事と思いますが、私には、刺青が入っております。



バンドをやっていた頃、格好良いなぁと思い、入れたのです。

ここ数年、タトゥーとか言って、トライバルなんかを入れるのが流行ったりして、刺青人口も増えたように思いますが、はたして、刺青入れて、良かったなと思う人っているのだろうか?

後輩とかにたまに、「僕も入れようかと思うんですけど」とか言われる事がある。

私は、得する事は何も無いから、やめるようにと、一応言う。
言っても、入れる子は入れるんだけどね。
私もそうだったのだから。

私に言われても説得力が無いとか返される事が多い。
でも、入っているからこそ、言っているのだ。

やめるように言うのは、私も当時、一応考えぬいた末に入れたつもりだったのだけれど、考えないような弊害が色々あるものなのだ。

たとえば、風呂とか温泉とかサウナとかプールとか海とか…色々弊害が出る。
入れないところが多いのだ。
入れても、ものすごく気兼ねする。
そうした場所で、人に汚いもの見るように見られたり、子供に泣かれるのは、かなりツライ。
タトゥーが一般的になっているなんてのは、入れたい人間の都合の良い意見か、それを否定しないよという人の慰め的な意見であり、刺青は、どんなスタイルでも、しょせん刺青で、そして結局、いつまで経ったって、絶対にそうした目で見られるのだ。
少なくとも日本では、マイノリティーである事は、たぶん私の寿命がつきるまで、世の中色々変わっていっても、変わらないと思う。
日本ではそうした文化なのだから。

アメリカでは…みたいな事を言う人もいるけど、ここは日本だから。
アメリカの常識と、日本の常識が違うのは、当り前だから。

バイクでツーリングに行って、温泉に入るのは、すごく楽しい。
でも、その楽しさを楽しみきれないように、みすみすしてしまっているわけだ。

先日、祖父母と温泉に行こうかという話が出た。
祖父はもう老いており、足がいまいち、自由では無い。
私は男だし、力もそこそこあるので、俺が世話するよ…と言った後、刺青の事を思い出した。
祖父母に刺青入れてるなんて、言えない。
私は祖父と風呂に入る事もできないのだ。
告白すればいいじゃんって、簡単に言う人もいる。
言えないよ、そんなの。
それを、嘘つきの臆病者みたいに言う人もいるけれど、言えないよ。
言えない。

刺青が原因で、恋人と別れた事もあった。

恋人のご両親と、それまでうまく付き合っていたのだけれど、とある時に、刺青が入っている事がばれて、とたんに手の平返され、「カタギでない人と付き合わせる気は無い。火で焼いてケロイドにしてでも、消して来い」と言われた。
すごくショックだった。
人に、自分の皮膚を焼けなんて言われるのよ。
人間扱いではないでしょ、そんなの。
母にそれを言ったら、「普通そう言うんじゃない?」と言われ、ダブルでショック。
母に愛されていないような気持ちになった。

刺青ってのは、針で刺して、その傷口から墨なりインクなりを流し込み、定着させる。
だから、つまり傷跡なのだ。
だから、調子が悪いと腫れたりするし、風呂に入った時に、痛かったりする事もある。

夏に、透けるような色の服や、半そでが着られない。
いつでも長袖の黒いシャツを着ている。
ほんと、暑い。

先日、母がマジメな顔をして、「あんた、ハゲたらどうするの?」と聞いてきた。
私、頭にも刺青を入れているのだ。
それは私も考えている事なのだが、どうしようね、マジで(^^;


…と色々書いているが、では、入れた事を後悔しているか?と言われると、微妙。
私の歴史で、私の体だからね。
人には、私はやめるように言うけれど、私は、こいつと死ぬまで暮らしていくのですからね。

入れるのなら、良い彫師を選ぶように。
ハンパな子に彫られてしくじられて、泣き見る子多いから。

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