しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「あの日、少女たちは赤ん坊を殺した」 ローラ・リップマン 

2007年11月03日 | 読書
メリーランド州ボルチモア。7年前の7月17日。
アリス・マニングとロニー・フラーの11歳の少女は高級住宅街の中の屋敷の前で乳母車で眠っている赤ん坊を見つける。
放置されたかに見えた赤ん坊を2人は自分たちが面倒をみてあげないと、と連れ去る。
およそ7年後、アリスとロニーはオリヴィア・バーンズ殺害によって送りこまれたそれぞれの施設から釈放される。
オリヴィアの母親、シンシア・バーンズはそのことを知り、激しく動揺する。
そして、ボルチモア郊外で、3歳くらいの女の子が一時行方不明になる事件が多発する。


登場してくる人たちがみんな心の中のもやもやしたものを抱えていて、重い物語。
もやもやが怒りだったり、戸惑いだったり、悲しみだったり。
それが絡まりあって物語は進んでいくが、テーマが重いこともあり、暗い気持ちになる。
それぞれの気持ちが、みんなわかる気がするから結構辛い。

でも、謎を知っていくという物語の中の興味も強く、一気に読めてしまう。
なぜ、11歳の少女が9ヶ月の赤ん坊を殺してしまったのか。
こういうことはあるかも知れない。
ひとつの事件はひとつの原因で起こるものではないのだ。
しかし、命を奪われてしまった子が一番かわいそうだ。
やはり、人間としてはじめに教えていくことは命の大切さなのだと思う。
今の子どもたちも、死んでも生き返ると思っている小学生がいるという。
命について、もっと知らせていかなければならないのだろう。

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