しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ロミオとジュリエット」 Studio Life

2007年07月08日 | 観劇
2007.5.10(木)~6.5(火)  紀伊国屋ホール
ウィリアム・シェイクスピア・作  松岡和子・翻訳
上演台本・演出 倉田淳

花の都ヴェローナではモンタギュー家とキャピレット家、2つの名門が反目しあっていた。
ところが、キャピレット家で開かれた舞踏会で出会ったモンタギューの息子ロミオとキャピレットの娘ジュリエットは、一目見た瞬間に恋に落ちてしまう。
若い2人は熱く愛を語り合い、その夜のうちに結婚の約束を交わす。
敵対する家同志、許されない恋と知っても、もはや引き返すことはできなかった・・・・・・・・。
            (チラシより)


とってもお馴染みのシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」
Studio Life としてどんな風に味付けられているのかと思ったが、結構そのままの感じだった。
漫画や小説などの時は原作通りで「良かった」と思えるのだが、シェイクスピアは映画や舞台でも多く取り上げられるので、もっと独自のシーンがあるのかと期待したのだが。
「夏の夜の夢」は歌と踊りが多用され、迫力のある動きでライフ独自の面白さを感じたのだが、それが今回はあまり感じられなかったのが、ちょっと残念だった。
僧ロレンスが語りをするところが工夫なのかも知れないが、運命を呪うロレンス神父からあまり感じるものがなかった。
プラスであったのが、マキューシオと友人のふざけ合うシーン(駄洒落合戦)なのだが、それはあまり要らないかと思えてしまう。
3時間の上演時間は少々長く感じる。
今回通路も使っての演技があるが、すぐ近くで演じられるのはちょっと、どきどきしてしまうが、なかなかいい。
剣で戦うシーンもあるが、これは近いとちょっとはらはらする。剣先が自分の方に向くこともあるから。
アクションシーンが必ず織り込まれるが、段々迫力が増してきたように思う。
ここは男優劇団の特徴のひとつにしたいのだろうか。
でも、アクションは特になくてもいいと思う自分なので、必要以上に長くはしないで欲しい。
必要なのはいいが、あまり見せ場と考えて長々しいのは、いらないかと思ってしまう。
今回はロミオとティボルトのシーンは、あまりスマートではなかった気がする。

ロミオとジュリエットのお互い一目惚れで、好きで好きでたまらないという気持ちは、両チーム、とてもよく伝わって来てた。
見ていて微笑ましくなる恋だった。

☆Erbe(エルベ)    *Sighori(シニョーリ)

ロミオ
☆岩大
表情がとても生き生きとして、幼さも感じられるロミオだった。
感情の起伏の激しさも感じられる。叫ぶことが多いからかも知れない。

*荒木健太朗
そのままで充分若々しい可愛いロミオ。ビジュアルはぴったり。
神父にも子ども扱いされていた。
荒木さんは本当に表情のメリハリがあると思う。
嬉しい悲しい辛い、そして、マキューシオが死んで我を忘れてしまった時など素直に感情が表に出るのが、余計若々しさを感じられた気がする。

ジュリエット
☆舟見和利
あまり、美しくは感じられない舟見さんの女性役だが、仕草や表情を作るのは上手。
なので、随分そういうことで、美しさをカバーしている気がする。
突然、笑いを誘う仕草があるのは、幼さを表しているのか、笑いを取っているのか。
良家のお嬢さんという品の良さはあまり感じられなかったのだが、それは岩崎ロミオも同じだった。
*松本慎也
元気のいい、まだ駄々っ子のようなジュリエット。
ロミオへの恋も、ロミオより積極的な感じがした。
嘆き悲しむ方の表現が、いまひとつな感じがした。

ティボルト
☆奥田努
結構笑いのシーンがある中で、一人シリアスなティボルト。
感情の出し方も、押さえ気味だったが、感じられるのはロミオに対する嫌悪感だけだったのは、ちょっと人間的に薄い気がした。
奥田さんは叫ぶと声がひっくり返るのが、その役に合っている時と合っていない時があり、ティボルトとしては、合っていなかった気がする。
だから、あんなに叫ばずにいればいいのに。押さえて言っても迫力はあるのだから。

*高根研一
高根さんのティボルトのシリアス。まあ、高根さんのイメージそのままだけれど。
そのままの迫力あるティボルトで、頼り甲斐の感じられる。
ロミオとの関係も、こんな奴と思っている感じがなんかしっくりした。

マキューシオ
☆坂本岳大(客演)
道化の要素のあるマキューシオだが、それを友人とふざけることで表したのは、ちょっと短絡な気もする。(って、これは演出だから)
刺されてから死ぬまでの台詞が結構見せ場かと思う。

* 曽世海児
曽世さんの語りは、情景がすっと心に入ってくる。夢の話のシーンでそう思った。
上っ面の言葉ではなく、意味が届く感じ。
お調子者のマキューシオ、ちょっと存在が賑やか過ぎる感じもあるが、ロミオと結構対等の友達に見えた。

乳母
☆石飛幸治
ちょっとにぎやか過ぎで、台詞が分かり辛い気がしたが、どうなのだろう。
石飛さんのキャラクターではあるが、今回はあまりしっくりこなかった。

*倉本徹
乳母としては、倉本さんの方がしっくりきた。
結構、笑いもとっているのだが、メリハリがある。

ベンヴォーリオ
☆小野健太郎
悪がき仲間といった感じの小野さん。
そんな友達関係の中では、どちらかといえば調子よく、くっついて行くタイプに見えた。

*関戸博一
眉毛のない関戸さん、最初はドキッとした。
「どうしてイタリア人なのに眉毛がないんだ」by荒木ロミオ。本当だよ。
「おしゃれだろ」って答えていたような・・・・。
関戸さんは、ロミオを守ってやろうというお兄さんタイプに見えた。

パリス
☆寺岡哲
なかなか良い人のパリス。すらりとして格好もいい。
ロミオより素敵かもと思ったりして。
そして、仲原さんと比べて思ったのだが、ジュリエットが死んで悲しむシーン台詞が上手い。
押さえた感じの中に悲しみや戸惑いが伝わってきた。さすが先輩。 

*仲原 
若い、パリス。でも、とても落ち着きを見せて堂々としていた。
悲しみで叫ぶ台詞など、まだちょっと難しそうな気もするが、雰囲気はよかった。
でも荒木ロミオと比べると、ロミオの方がいいかなと。

バルサザー  ロミオの従者
☆三上俊
久し振りに見た三上さんの男役。凛々しかった。
憂いの表情も似合う。  

*吉田隆太
反対に吉田さんは男役も可愛く見える。優しさを一番に感じる。

ジュリエットの父
船戸
本当にジュリエットを愛しているのだろうか、と思ってしまう父親。
これは他のロミジュリを観ても思うことだが、船戸さんのお父さんも、怒る時は怒鳴り散らして、本当に怖い。
考えているのは、自分の利益のことだけなのではと思える。
感情を上手くコントロール出来ない人物だった。

ジュリエットの母
林勇輔
林さんも母親役が続いているが、ジュリエットの母親像はどんなのだったのだろう。
この母は、本当にジュリエットを愛しているのかと思うが、考えたらこのお母さんもまだ若いのだから、母親にはなりきっていないのかの知れない。
友達感覚、反抗されたらどうしていのか分からなく、おたおたしてしまう。
そんな感じでいいのかな。映画でもそんな感じだったように思う。
あまり好きではないキャラクターだった。

僧ロレンス
☆河内喜一郎
優しさが感じられる河内さんなので、こういう役ははまっている。
この物語で一番不幸なのは、この人だったのでは、と今まで「ロミオとジュリエット」を観て来て考えなかったことを、今回始めて思った。

*山崎康一
モノローグは上手い。笑いを取るのも上手い。


後、まだたくさんの役があったが省略するが、是非書いておきたいのが、
ピーター(乳母のお付の従者)
大沼亮吉
今まではきちんとした強面の役が多く、そういう役が似合うと思っていたが、ピーターはちょっと頭が足りないような、ホンワカした可愛い役。
それが、大沼さんに似合う。
目付きが全然違って優しいし、こんな役も出来るのだと感動。
乳母に「可愛い振りしたって、ちっとも可愛くないわよ」と言われていたけれど、とっても可愛かった。


この舞台から、今年入団したフレッシュ君たちが参加。
仲原さん、政宗さん、はジュニ8になった。
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