しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「慟哭」 貫井徳郎 

2006年01月28日 | 読書
2つのストーリーが交互の語られる。
ひとつは、幼女誘拐事件。
捜査にあたる警視庁の捜査一課長はキャリア組の佐伯警視。
2つの誘拐が起こっており、その繋がりは分からない。
捜査は進展しないまま、2番目の少女の遺体が発見される。
そして第3の誘拐が起こる。佐伯にも同じ年頃の子どもがいて、心を痛める。
もうひとつは、新興宗教絡みのもの。
心に穴の開いた男・松本が宗教に救いを求めるもの。
《白光の宇宙教団》に巡りあい、これこそ本物と思った松本はのめり込み、財施して格を上げていき、教団の秘法に触れていく。
松本の願いは、死んでしまった我が子を蘇らせる事だった。


それぞれの登場人物の心理がよくわかり、それぞれの苦悩が高まっていく。
そして、ふたつのストーリーが接近していく。
これは、捜査側と犯人側から書かれた物語なのだと気がつく。
そして、「あ!」と言う結末が待っている。
しかし、自分には「やっぱり!」だった。
これは、折原一さんを読んでいたから。そんな感覚で話を読んでいたから。
途中から、もしかしたらと思っていた。
怪しいのは、ふたつ目のストーリーに名前がはっきり出て来ない事。
これはなにかある、と思えてしまう。
それでも、何となく予想はしていても、驚愕のストーリーで面白かった。
宗教についても、勉強になった。
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