しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「白夜行 第2部」 その2              

2005年12月12日 | 観劇
晦(かい)と黎(れい)のWキャスト。
主役の感想を。
*桐原亮司     
 山本芳樹
悲しさと寂しさの漂う亮司だった。典子に対しても優しさを見せていた。犯罪を犯すのも、雪穂の為に自分の気持ちを殺してやっている感じなので、罪を重ねる度にぼろぼろになって行く様な感じがした。影に徹している亮司。子供の亮司と擦れ違った後の夕日を見詰める表情が切なかった。
しかし、1幕の時の亮司の動きはやっぱりちょっと違う…。山本さんの動き、ゆっくりだからかな。
 笠原浩夫
鋭く、とげとげしさが増した感じ。誰をも受け付けない孤独を感じた。典子に対しても利用しているだけの亮司。その孤独の力と同じ強さで雪穂の事だけを思っている様だった。
笠原亮司はより分かりやすい。典子と布施の街を歩いて、父親の話しをする時の辛そうな表情やラストの雪穂を見詰めて死ぬシーンは心の動きを見せてくれている。(このシーン、山本さんは髪で顔が隠れて、目が見えなかったのだ)
典子との煙草のシーンもよかった。

亮司は動きは笠原さんで、雰囲気は山本さん。亮司は自分で選んだ道だけれど、きっと辛かったと思う。ラストの死を選んだのはもうこの道から逃れたいと思う気持ちもあったのではないかと思う。そんな雰囲気は山本亮司。笠原亮司はひたすら雪穂の為に死なざるを得なかったといったところか。  

*唐沢雪穂         
 舟見和利
1部の雪穂がそのままきちんと継続されての雪穂だった。舟見さんの中で雪穂はしっかり確立されていると思う。それが安定感となって自分にも伝わって来た。相変わらず無表情気味の雪穂。高宮誠を操っていると言う感じがよくする。反対に康晴との時は必要以上に明るく振る舞っているのが、一成との決裂の後だから、取り敢えずの到達点として安定しようとしていたのか…などど思った。
夏美に対して太陽の話しをする時、「自分には太陽に変わるものがあった」と言う時の表情が柔らかくて優しく、今までとは違う、始めて自分の心を表した感じでよかった。その言葉に亮司を感じさせてくれたと思う。
雪穂が一成をどう思っていたかは、舟見雪穂を見ていると、完璧に愛してはいなかったと分かった。
アップの髪は似合っていた。
 岩崎大  
岩崎さんの女性役は始めて見る。「大きい」とまず思ってしまった。身長があるだけでなくがっちりしている。武藤で鍛えたから。(舟見さんはスリムなんだと改めて思った)
岩崎雪穂は表情があり、あまり何かを企んでいる様には見えなかった。わりと素直に表情に現れていた気がする。
岩崎雪穂は綺麗だったけれど、セーラー服姿はちょっと厳しかったかなと思う。大学の時も短い髪もいまいちだった。長い髪やアップの方が似合う。

岩崎さんも雪穂なんだけれど、舟見さんの雪穂を見ていると、なんとなく違う気がした。やはり1部から継続で見ているから、自分の中でイメージが出来上がっているのかも知れない。
それを思うと、及川さんの雪穂が見たかったと痛切に思ってしまう。舟見さんとタイプの違った雪穂だったから、どんな女性になっていったか、想像はするが、きっと想像以上のものを見せてくれると思うので。
今回は晦、黎とも亮司より雪穂の方が大きい。
山本さんの隣にはやっぱり及川さんが似合うと思ってしまった。 

子ども時代の2人を奥田さんと松本さんで。このふたりが凄くよかった。
手をつないだ時に影絵が重なったのも綺麗だった。
そして、奥田亮司の表情が絶品。松本雪穂は美少女ではないけれど、とっても可愛かった。
カーテンコールでふたりが仲良く寄り添っている姿もよかった。白夜行でぴったり寄り添える相手がいるのはこのふたりだけ。でもそれも過去の一瞬の間しかなかった。最後は白夜行を象徴しているシーンだったと思う。


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