しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夏の夜の夢」(再演) Studio Life

2008年05月11日 | 観劇
「夏の夜の夢」(再演) Studio Life
2008・4・17(木)~5・11(日) シアターサンモール
原作 ウィリアム・シェークスピア   訳 松岡和子
演出 倉田淳

<ストーリー>
うたた寝の一場のまぼろし たわいない物語は 根も葉もない 束の間の夢 ―――いつでもないいつか、どこでもないどこか。
森に入り込んだ、ワケありな2組の若き男女。
妖精王オーベロンと女王ティターニアのささいないさかいに、若者たちは巻き込まれます
。妖精パックの勘違いも手伝って、事態は思いもよらぬ展開に…。
              ―チラシより―

<感想>
前回とほとんど変らない演出だが、2度目ということで、パワーアップしているのは感じられた。
喜劇の要素がパワーアップして笑いっぱなしの展開。
これぞ男優集団だから出来る演出、と思える迫力の主役4人のやり取り。
文句なしで面白く、楽しめる公演。
通路での演技があるので、通路より後ろで楽しめることと、前で楽しめることがある。

Wキャストで見ると、ハーミアとヘレナの2人が、ルナは大きくて、ディアナは小さい。それが、そのまま4人の追いかけっこの迫力に反映されている感じ。
印象は圧倒的にルナチームが強い。
なにしろ、ライサンダ―とディミートリアスも霞んでしまうくらいだから仕方ないだろう。
走り回る時は運動靴に履き替えるのだが、ハーミアとヘレナのソックスはアディダスだった。
そんなところは見えない方がいいのだろうが、見えてしまった。


☆Luna(ルナ)○Diana(ディアナ)
ライサンダー
☆ 曽世海司
前回と同じ役で、特に変化はなかった。
組んだディミートリアスの仲原さんもかなり個性的で頑張っていて、バランスは取れていたが、女性陣が凄いので、ちょっと霞んだ感じはある。
ハーミアに蛇を置いていくので、その後のハーミアのリアクションが楽しめる。

○山本芳樹
前回も変なキャラクターだったが、今回は浮気草をつけられたて変った時から、とても変なキャラクターになった。
「あははは」と笑うのが口癖で、ヘレナを口説くのも、ヘレナではないけれど馬鹿にしているとしか思えない。あんな男は嫌だ。
芳樹さんはストイックな役が多いので、反動がくるのだろうか。


ディミートリアス 
☆ 仲原裕之
また違った仲原さんを見せてもらった。若手なのでつい「頑張っているなあ」という目で見ていてしまう。仲原さん、頑張っている。
歌も突然大声を出して感情の激しい気性のディミートリアスだった。

○奥田努
今回は小野パックとのやり取りで笑わせてくれた。
パックにぶつかりそうにダッシュしたり、剣を振りまわしたら当たってしまったり。
奥田ディミートリアスは気障男。ニッと笑った顔がいい。


ハーミア
☆ 岩大
とにかく、岩さんの運動神経は凄い。
動きで圧倒され、可愛子ぶりっ子のハーミアに笑わされる。
曽世ライサンダ―が置いていった蛇を「潰した!」と飛びあがるところも好き。
ハーミアの髪型も衣装もとても似合っていてとても美人だし、最高のハーミアだと思う。何度でも見たいと思える役。

○松本慎也
松本さんのかなり運動神経がよさそうだが、今回は上から飛び降りる回数も少なく、ちょっと押さえた感じだった。
岩と同じように飛ぼうとして、その場でぴょんと飛びあがり、階段で降りて来る。可愛らしさを強調したハーミアだったかも知れない。
両方の動きを知っていた方が楽しめる。


ヘレナ
☆ 坂本岳大(客演)
岩さんのハーミアにがっちり対抗して見劣りのしないへレナ。
ドスが利いた台詞まわしに、大げさな表情。
ヘレナがヒステリックになる所は、もう誰も止められない。
こちらも、ディミートリアスに擦り寄っていくところのぶりっ子な可愛さとのギャップがいい。

○関戸博一
「熊のようなヘレナ」とあるが、関戸ヘレナは可愛い。松本ハーミアに引けを取らないくらい可愛いので、何となく迫力に欠ける。
プチンと切れるところは激しく頑張っているのだが、坂本ヘレナに比べてしまうと、やはり弱い。それは、ハーミアとヘレナのコンビでいえるのだが。
だから、バランスは取れている。


シーシアス
☆ 船戸慎ニ
若さを感じた公爵で、あまり近寄り難い感じはしなかった。

○牧島進一
ちょっと何を考えているのは分からないから、高貴な感じはする。
台詞も聞きやすくていい。
「アドルフに告ぐ」の刑事役の時は、台詞が聞き辛く、どうしたのだろと思っていたが、あれは大阪弁だったからか。本来の牧島さんだった。


ヒポリタ
☆ 松本慎也
前回の舟見さんの印象が強いヒポリタはスラリと背が高い、というイメージが。
なので、松本さんのヒポリタはちょっと違った。

○岩大
背の高さで言えば、岩さんの方が合っていたが。
今回の2人は感情をわりと表情に出していて、元気な感じ。
ティターニアが「あの元気なアマゾン女」と言っていたので、本来は元気でいいもかも知れない。


フィロストレイト
緒方和也
フレッシュの一人。
まだ、フレッシュは名前を覚えていないので、これで緒方さんは覚えた。
とても落ち着いた従者で、劇の時は感情を出して、表情豊かに劇を見ていた。

イージアス
前田倫良
がみがみ親父、みたいな役が多い前田さん。
いつものイメージ通りの役で、とてもすんなり馴染んで見ていられた。


【妖精】
パック
☆ 倉本徹
「都の紋章、鳩の足跡印のペンダント」のポーズ付のパック。
そうでなくても動きが多く、はあはあ言って大変そうなのに、絶対小野パックよりも動きは多いと思う。
笑いの爆弾を抱えているから、特に何かがなくても、オ―ベロンと一緒にいるだけで笑いがこみ上げて来るパックだった。
通路を通って引っ込む時に空席があると必ず座って一休みするようで、空席がない時は残念そうに、回りを見まわして、オ―ベロンに怒られていた。
状況を説明する台詞はすんなりと内容が頭に入ってくる。

○小野健太郎
まずは、前回のリベンジが出来た小野パック。よかったね。
以外と倉本パックより落ち着いていて、飄々とした感じがある。
それがまたオ―ベロンには可笑しいらしく、笑いを堪えるのに大変だったが、小野パックは笑いには強い感じがした。


オーベロン   石飛幸治
パックとのやり取りは、笑いを堪えて台詞を言うので大変そうだった。

ティターニア  林勇輔
自分には、ちょっとキャラクター濃すぎの王女様。
突然変化するのに、あまり面白みを感じないからか。
優雅にしている方が好き。

豆の花   三上俊
衣装が変った。
女の子としか見えない妖精、可愛い。

蛾の精  加藤陽平(客演)
前回は荒木さんが演じた蛾の精。なんとなく荒木さんに似た感じだった。
顔を黒くしているから、本当はどんな人なのか分からない。
とても楽しそうだった。

蜘蛛の糸  冨士亮太からしの種 
衣装が蜘蛛の糸そのものになった。
荒木さんが担当したソロを今回は担当。

芥子の種   吉田隆太
初登場。
衣装が豆の花に似ている。
吉田さんは、女の子か男の子は分からない感じ。

妖精4人組みはみんな表情豊かで、動さも大きくて楽しい。


【アテナイ青少年演劇部】
ボトム   山崎康一 
時々、暴走気味のボトム。
藤原さんが笑ってしまう場面も。
でも、山崎さんは笑ってしまうことはないのだろうか。淡々と鳩の真似をしたり口上を述べていた。

スナッグ   大沼亮吉 
ライオンが結構迫力があった。
ご婦人方は大丈夫なの、と思ってしまった。
迫力ある役は大沼さん。

フルート   青木隆敏  
シスビーとフルートの差がより大きかった。
フルートは結構勢い付けていた。
演じる前に、手の平に「人」を3回書いて飲んでいた。フルートはアガリ症なんだ。

スナウト 
☆牧島進一
別チームで公爵を演じている二人のW。
全く違う役で面白い。
何となく、みんなにいじられる役所らしい。
いじける所も可愛い。

○船戸慎士
牧島さんと同じ感想だが、船戸さんのいじけるのは始めて見たかも。

スナウトはボトムに「ペンションの親父のような格好して(牧島さん)」とか「目ばかり大きくて(船戸さん)」と言われていた。ここはアドリブで毎回違っていたのだろう。
塀の時も、ピラマスとシスビーにぐいぐい引っ張られて、大変そうだった。
「塀が壊れたので」という時もあった。

スターヴリング   ☆下井顕太郎   ○政宗 
三日月役の時に頭とあごに三日月をつけた姿が可愛かった。 

クウィンス   藤原啓児
今回は何回かボトムの反応に笑いを堪えるのが大変そうだった。
客席のひとりに対して集中して行くシーンで、その席が空席の時があった。
別の人に対象を変えるのかと思ったら、同じ席に向かっていって、
「紙しかない、どこ行ったんだ、お客さ―ん」とパニックになり、みんなになだめられていた。そんな性格もあるんだと知った。
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