しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「黄泉からの旅人」 レイ・ブラッドベリ 

2006年02月28日 | 読書
光の都と、影の都が隣り合った所での物語。
映画の撮影所の隣に大きな墓地がある。
「私」は、32歳のシナリオ・ライターで、マキシマス・フィルムで活躍している。
ある時、謎の手紙の呼び出しで、隣のグリーン・グレイズ墓地に行き、そこで、20年前に交通事故で死んだ前社長の死体を発見し、慌てて逃げ帰る。
次の日、死体は消えていた。
「私」の親友で、特撮を担当している、ロイ・ホールドストロムは「怪物」を作り上げる仕事を急がされていた。
ロイにも謎の手紙が来て、二人はレストランのブラウン・ダービーへ赴く。
そして、そこで、衝立が倒れるというアクシデントから、傷ついて崩れた男の顔を見る。
ロイはその顔を「怪物」として完成させるが、それが理由で映画会社を首になっただけでなく、命まで狙われる。
行方不明になったロイを筆頭に、次々にマキシマス・フィルムの関係者が消えていく。
怪物の仕業なのか。
「私」は友人のクラムリー刑事や、引退した女優のコンスタンス、盲目の老人・ヘンリーの力を借りて、その謎に迫っていく。


ブラッドベリ、探偵小説3部作の、2作目。
知らずに、2作目から読んでしまった。特に支障はなかったと思う。
「私」が臆病で、積極的になにかをしようと言うタイプではないので、あまり探偵小説と言う感じもしないが、結構悲惨な事件が起こって行く。
というか、死体がないので、起こっているのだろうなーと、何となく真実味がなく、夢の中の話のようだ。
え、今ので死んでしまったの、みたいな。
「私」も親友のロイが関わっていなければ、特に何するわけでもなく終わりそうな。
でも巻き込まれた張本人なのだから、それは無理か。
ロイが魅力的。とてもポジティブに生きている気がする。
舞台が撮影所で、色々なセットがあり、その描写が夢ではないかと言う雰囲気を醸し出している。
そんな雰囲気が好ましく、「私」と一緒に少々怖がりながら謎にせまりつつ、読んでしまう。

「私」とロイが「キングコング」に夢中になって、この世界に入ったと言う話があり、ピーター・ジャクソン監督と同じだ。そんな映画人がたくさんいるのかな。
「キングコンゲ」って凄いんだ。

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