しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「殺す者と殺される者」 ヘレン・マクロイ

2010年12月24日 | 読書
「殺す者と殺される者」 ヘレン・マクロイ    創元推理文庫
 THE SLAYER AND THE SLAIN     務台夏子・訳

おじの遺産を相続し、不慮の事故から回復したのを契機に、大学の職を辞して亡母の故郷クリアウォーターへと移住したハリー・ディーン。
思い出の残る小さな町で、彼は新たな生活を始める。
消えた運転免許証、差出人不明の手紙、謎の徘徊者、人妻となった想い人シーリアとの再会・・・・
穏やかな日々の中で積もる小さな違和感が、やがてハリーを悪夢めいた状況へと誘っていく。
そして起きる無惨な事件。
いったい、ハリーの周囲で何が起きているのか―。
                      <文庫本1ページ目から>




ヘンリー(ハリー)・ディーンの回想記で語られる物語。
不思議な事が次々と起こる。
ハリーのもやもやした気持ちと同化して、落ち着かない気持ちになる。
それがひとつの事実が分かり、解決する。
ああやっぱりと思う部分もあったが、その後の展開が意外で面白かった。
心理的にじわじわと追い詰められる怖さ。
それは前半もそうだが、はっきりと原因が分かってからの方が大きい。
ラストも予想とは違った。
悲しくなる結末。

読後、『ドリアン・グレイの肖像』を思い出させた。
自分が、自分ではなくなる感覚。
それをどうする事も出来ないとしたら、その行き着く先は。
一味違った心理サスペンス。



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