今回は1977年~78年に日本でリリースされた
奇跡的な作品を紹介します。
まずは昔からライヴで僕がカバーしてて、
サム・クックの次に「あの歌は誰の曲ですか?」
なんて質問の多い亀渕友香さんの「BACK STAGE」を。
ソウル・バッド・レヴューやBAHOで知られてる
石田長生さんがプロデュースされてて、
ほんと名曲名演だらけの作品なんですよ。
バッグにはサウス・トゥ・サウスの人達や、
ジャズミュージシャンが参加してて、
石田さんの的確な人選が見事に決まっております。
オープニング「この町はいい町だよ」のイントロの
コロコロとしたピアノからやられちゃいます!
しかし友香さんの声の素晴らしいこと!
太い包容力のある声で、
ほんと最近のR&B系の女性シンガーの方達には
是非このアルバムを聴いてもらいたいです。
シャウトしなくても、過剰にフェイクしなくとも、
黒っぽさというのは表現出来るんだという、いい見本なんだ。
ふわっと囁いてね、こんなソウルフルなんてさ、
音色ってのは、実はテクニックの最上級だと教えられる、
そんな歌声だよ。
このアルバムで学んだことがあるのね。
それは楽曲のKey決めの選択の大切さです。
Keyを友香さんか石田さんか決めたかは分かりませんが、
もうこのKeyしかない!って選択なんだよね。
楽器の響きとかもそうですが、
友香さんがギリギリ高いとこで少しかすれる感じの声とか、
まさに♪なぜか色っぽくて~♪ってね。
僕はこのアルバムから、「この町はいい町だよ」、「アフリカの月」
「Let’s Happy Love」、「ウイスキーナイト」と
4曲カバーしてるんだけど、
他の曲もバラエティーの富んでて
全く飽きさせないんだよね。
「アフリカの月」でのジャズギターの中牟礼貞則さんのギターも、
ジョー・パスみたいにめちゃくちゃ歌っててね、
とにかく素晴らしい。
現在友香さんは、ゴスペルの方で有名ですが、
そういう意味じゃこのアルバムはすごく貴重だよ。
また石田さんはこの頃、
関西フォークの大塚まさじさんの「風が吹いていた」という
アルバムもプロデュースしてて、バッグメンバーもほぼ一緒だし、
友香さんもコーラスで参加してるので、興味ある方はこちらも是非。
石田さんのギターはわりとソウルギターというか、
コーネル・デュプリーのようなギターを得意としてますが、
実はロビー・ロバートソンのような
コキコキピキーッってなギターもお得意なんだ。
「BACK STAGE」でもちょっと聴けるけど、
フォークロック調ということで、
こっちの方がかなりロビーっぽいです。
~追伸~
これを書いてる時、石田長生さんの訃報を知りました。
ホントびっくりしました。
アルバムの素晴らしさと石田さんのプロデュースの見事さを
みんなに伝えたかった。
素晴らしい作品をありがと。
いくつの夜をこのアルバムと過ごしたでしょうか。。
何度針を落としたことでしょうか。
今夜はウイスキーナイトを石田さんに送りたい。