今回のニールは、同じニールでもヤングの方じゃなく、
アメリカンポップスの象徴、重鎮ニール・セダカです。
その甘い声と(時折シャウトする事はあまり知られてない)
卓越したソングライティングは、まさにブリルビルディングを代表する人だ。
その昔ブリルビルディングでは、
かのキャロル・キングと机を並べてたというのだから、
その切磋琢磨振りが眼に浮かぶようだ。
同じニューヨークのブルックリン出身ってのも、
僕なんか若い頃ずいぶん想像を掻き立てられたものですが、
ブルックリンやブロンクスには好きな作家が多い。
と言ってもキャロルの方がどうやらニールを慕ってたらしい。
ニールの「オー・キャロル」という曲は、
キャロルに捧げられたという話は有名だが、
それにキャロルが「オー・ニール」という曲でお返しに吹き込んだのは、
あまり知られていない何とも微笑ましいエピソードです。
以前70年代のニールの代表曲「雨に微笑みを」を紹介しましたが、
今回は全盛期のニールの代表作を!
すてきな16才 [日本語訳・英詞付き] ニール・セダカ
とにかくメローな男だよ。
ニールはもう80歳ぐらいだと思うけど、
今でもこの声出せそうだから微妙に怖いちゃー怖い。
何ともポップス声だよね〜?
エルトン・ジョンとかビリー・ジョエルなんかもそうだけど、
ポップスとしてよく通る声。
曲の良さと同じぐらいポップスに不可欠な要素ですよね。
空気に気持ち良く乗る声ってのは。
恋の日記 [日本語訳詞・英詞付き] ニール・セダカ
この「The Diary」という曲も実は好きで。。。
いわゆるハチロク物のロカ・バラードで、
ヘタすっと細川たかしの♪私バカよね〜♪と歌い出しそうなその旋律ですが、
言っときますと、この曲が一応“演歌ハチロク“のルーツだと僕は確信してる。
20代の頃、松山のケントスにTというボーカリストがいて、
実にこの歌を上手く歌ってて、よくリクエストしたもんです。
Tは元気だろうか?
Neil Sedaka - Breaking Up Is Hard To Do
最後はやはり1番好きなこの曲。
この転調ヤバイし、きっとビートルズとかもね、
すごく影響受けた思うんだ。特にポール。。絶対ポール (^^)
それぐらい斬新なメロディー構造なんよね。
ニールとキャロルは同じ机を並べてたって話したけど、
曲の作り方なんかもとても共通してるものがあるんだ。
きっと「ここだけど、コード進行こっちの方が良くない?」
なんてお互いの曲聴かせたりしてんだろうね。
そこに若きポール・サイモンがヒョコっと遊びに来るんだから、
いやはや何とも贅沢で凄い世界。
この曲はもう小学校の頃から大好きな曲で、なんつーか、
とにかく甘酸っぱい恋の思い出でいっぱいだ。
で、これ聴くと、とある場所を強力に思い出すのだ。
そこは諸見小学校の中庭なんだけど、
夏でも涼しくてひんやりした場所があったんだ。
大きなかじゅまるのせいもあると思うけど、とにかくひんやりとしてた。
なぜかニールも中学と同時に聴かなくなったけど、
何かそういう成長なんかと関係あんのかな?
ニールは子供だった僕から見ても、おじ様というか、
エルヴィスやジーン・ヴィンセントのようなカッコいいシンガーでもなく、
どちらかと言えば裏方のような風貌だったんだよね。
だから声高に「ニール・セダカが好きだ〜」なんて言えなくて、
隠れニールファンという。。。ごめんよニール。
エルヴィスが入隊したりバディ・ホリーが死んじゃったり、
最初のロックンロールブームが終わっちゃって、
その次のビートルズや、ロックグループ・ブームの間の僅かな時期だったけど、
アメリカンポップスが花開いた時の象徴みたなのがニールだったのかな。。
不良性なんか微塵もないし、セクシーでもないけど、
確かにあの時代に明るい彩りを添えてくれたアーティストなんだ。
今聴くとなおノさらだ。
やっぱ永遠にいい曲、そしていい声。
よく通る、よく抜ける声は素晴らしい楽器だね。