「ムー一族」という番組を覚えてるだろうか?
「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」からの伝統を受け継いだ、
TBSならではのドタバタ劇で、
今思えばホントに贅沢なスタッフやキャストに恵まれた番組でしたね。
武田和夫のクリエーション「闇夜のレオ」がオープニングで、
確か当時一生懸命コピーした記憶が(笑)
元々ブルーズロックな武田和夫さんですが、
ここではラテンフレーバーたっぷりな楽曲で、
多彩な才能の持ち主なのです。
この頃って高中正義さんとか、
ベンチャーズ以来のギターインストに人気が出てきた時期でもありました。
中学の先輩が「オレ高中正義になる」つーて付き合わされたな〜
楽器店行っては高コン(高中正義使用のコンプレッサー)がどうとか、
YAMAHAのSG2000がどうとか(笑)いやいや懐かしい。
フュージョンはよく分かんないけど、
高中正義さんのキャッチーでメローなギターも好きだった。
またこの番組、主題歌より挿入歌の方がヒットした珍しいケースでしたね。
なんと言っても郷ひろみと樹木希林コンビでヒットした
「お化けのロック」と「林檎殺人事件」の爆発具合が最高でしたね。
林檎殺人事件 (1978)
78年ですか、 まだまだ歌番組のサウンドに奥域がありますね!
バンドのサウンドの中に歌が潜ってて、もう凄い迫力!
現代のようなデジタルコンプレッサーで目の前まで音詰めてないので、
とにかくバランスが美しい。。ホントいい時代でしたね。
このムー一族ですが、あまり目立たない挿入歌だったのですが、
日吉ミミの歌う「世迷い言」という歌が僕はとても印象に残ってる。
日吉ミミ本人もドラマに登場し、飲み屋で歌うシーンもありました。
なぜかこの曲を聴くと、昔の実家の風呂場を思い出すんだな。
湯気や石鹸の匂い、窓から見る夜空とかね。
なぜだろ?強力に思い出す。
きっとドラマ観てる最中に、
お袋にでも「早くお風呂入りなさい」なんてせっつかれたのかも。
だからこの歌聴くとポカポカと温かくなる感じだよ。
立ち退きなった昔の家の思い出だから、すごく昔の話だね。
作詞 阿久悠 作曲中島みゆきという、何とも不思議な組み合わせですが、
阿久さんの詞が中島みゆき風に聞こえるから、また面白い。
日吉ミミさんのユニークな歌い方ってのは、
かのヒット曲「男と女のお話」から一貫してたのですが、
何というか、歌に感情を込めないとでも言うのかな?
当時の歌謡界ではなかなか見ないような淡々とした感じで、
阿久さんの♪上から読んでも下から読んでも ヨノナカバカナノヨ♪って歌詞も相まって、
なんとも印象的でした。
日吉ミミ 世迷い言