ワシントンポストにNew Nasa data show how the world is running out of the water「Nasaの新しい調査は世界中でいかに水資源が枯渇しつつあるを示している」という記事が出ていた。
Nasaは衛星から、地球の引力の微妙が変化を測定して、長年にわたる地下水の貯蔵量の変化を観測してこの結論に至った。
Nasaの水資源研究者はThe water table is dropping all over the world. There is not an infinite supply of the water.「世界中で地下水面は低下している。水の無限の供給がある訳ではない」と述べている。
Water tableは「地下水面」。少し詳しくいうと「帯水層」Aquifer(地下の透水層において地下水で飽和されている層)の表面の部分を指す。
記事によると世界には37の大きな帯水層があるが、その内21で枯渇が始まっているという。その内アラビア湾周辺、インド北部や北アフリカなど人口が多くかつ帯水層の地下水を利用する以外に代替手段のない地域で非常に危険な状態が起きているという。
岩盤などの上に砂礫層が堆積していると帯水層になると言われるが、雨水や雪解け水が帯水層に溜まるには非常に長い時間がかかる。井戸を掘って帯水層の水をくみ上げ、使い過ぎると「水の消費>水の供給」となり、帯水層がやせ細っていく訳だ。
記事によると世界全体では、消費する水の35%は帯水層の水に依存しているという。
日本について調べてみた(三協工業のHPによる)ところ、日本の地下水依存度は全体では12.4%だ。ただし飲料水など生活用水の依存度は21.7%、工業用水の依存度は28.4%だった。水質が良くて、天候の影響を受けず取水量が安定している地下水は多くの自治体が水資源に利用しているのだ。
地下水の大量の利用は、気象の変化にも影響を与えている。くみ上げられた水は、蒸発し水蒸気となり、循環してくみ上げた地域からかなり離れた場所で雨を降らす。また海に流れ出た水は海面を上昇させる。 2012年に発表された日本の研究によると、過去数十年の海面上昇の原因の4割はくみ上げられた地下水が海に流れたことによるという。
地球レベルの水不足は深刻な問題だが、水資源が豊富な日本にとっては大きなビジネスチャンスがあるかもしれない。
それは「水を農産物の形で輸出する」ということだ。日本の農業用水の地下水依存度は6%に過ぎない。つまりほとんどの農業用水は雨水か雪解け水を利用しているということだ。豊かな降水量を農産物特に水分の多い果実のような形でドンドン輸出する日があるのではないか?と私は考えている。
だが、それは利己的な発想過ぎるかのしれない。本当は水のリサイクル技術などを高めて、地下水の歩留まりを高めることが必要なのだろう。
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