今日(10日)午前中、大手銀行の株価が急騰した。手元のデータを見ると三菱UFJは16円(4.2%)上昇している。株価が急騰した原因は、FTのG20 draws up two-tier bank planという記事だ。
記事によると、大部分のアジアの銀行は、国際的な監督を受ける金融機関グループから除外される見通しとなった。
金融安定理事会Financial Stability Boardは当初、ゴールドマンザックス、JPモルガン、ロイヤルバンクオブカナダ等とともに、日本の3大メガバンクと野村證券を国際的に監督を受けるべき金融機関のリストに入れていた。
しかしG20サミットの議題についてブリーフィングを受けた人の話によると、中国や日本の銀行は規模は大きくても、国際業務でのプレゼンスは限定的なので、万一破綻しても国際的な影響は小さいので、国内の監督官庁にて規制されるべきだという結論になった。
国際的に規制される金融機関に認定されるとより多くの資本金が求められる。このため収益力の弱い邦銀には更なる増資リスクがくすぶっていたが、これで増資リスクが遠のいたと市場は判断した。
だが見方を変えると、世界の金融界から「あんた達は図体は大きいけれど、国際的には一流のプレーヤーではないのだよ」と言われたようなものである。
志ある邦銀幹部は増資リスク後退で安堵の胸をなでおろしながら、二流扱いされたことに不満を抱くというambivalentな気持ちを抱いているかもしれない。
ところでFTの記事を読むとみずほ、SMBC、MUFJはリストから外されるだろうと書いてあったが、野村については言及がなかった。株価だけを見ると野村も4%以上上昇しているので国際業務二流組なのだろうか・・・・。せめて一つ位国際的な監督を受ける金融機関が日本にもいて欲しい気がするが。
邦銀は国内市場では成長シナリオは描き難いので、押し並べて「国際業務」を強化、国際部門のアセットを伸ばしていますが、今回のリーマンショックの原因は、証券化手法のより危機が世界に伝搬したことがその危機を深めた点があると思っています。 つまり、金融のストラクチャリング力が逆に出たわけですが、その技術力という点では、残念ながら金融システムに影響を与える金融機関とは言えない。そういう基準かと思います。
つまり、日本の金融機関は、Over depoで国内市場では使いきれない(だから、JGBを買う)だけの膨大な資金があり、その活用として、出資、資産買収などのNon-organicな戦略をふやしていますが、それをもって国際金融システムに影響を与えうる機関とはFSBは見ていないということでしょう。 つまり、One of investorsという範疇なのだと思います。 金融技術力を持ち、金融のProcessingを生じさせるプレーヤーがいないと、東京市場も「国際化」しないということだと思います。 その点が、London, NYと決定的に違う点だと思います。 如何ですか?