金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

恐怖指数5年半ぶりの低レベルへ

2013年01月10日 | 投資

FTによると恐怖指数と呼ばれるVix指数が5年半ぶりの低レベルに下がり、昨日は13.2となった。Vix指数が下がるということは、米国株(S&P500)の激しい動きに対する保険を買っておこうという人が減っていることを意味する。

株式のプット・オプションの替りに市場が期待しているのは中央銀行のバックストップだ。株価が激しく下落すると中央銀行が大量に資金を供給して金融資産を購入するので、株価の下落は食い止められるという読みだ。

これはテール・リスクと呼ばれる「滅多におこらないけれど万一起きるとカタストロフィックな被害をもたらす」リスクが低下していると市場参加者が考え始めたことを意味する。

だが専門家の中には警告を発する人もいる。FTによるとTD Ameritradeのチーフストラテジストは「Vix指数は向こう数週間高止まりするだろうが、米国で国債発行上限問題が脚光を浴びる頃には高まる可能性がある」と述べている。実際Vix指数の先物は20を超えていて、半年後にはボラティリティが高まると予想する投資家が多いことを示している。

「いずれ株価はドスンと落ちることはあるだろうが、自分はその前に逃げることができるだろう」という妙な自信が世界の投資家を呼び込んでいるのだろう。

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