昨日(12月5日)米労働省が発表した10月の求人数は前月比617千人減少し、870万人となった。これは2021年3月以降で一番低い水準だ。
エコノミストの間では、求人数の減少を歓迎する声が上がっている。
CNBCは元国家経済会議議長ジェイソン・ファーマン氏の「持続可能なソフトランディングのもう一つの重要な要素が適切な場所に収まりつつある」というコメントを紹介していた。
インフレ抑制のための連銀の金融引締めが、住宅市場を冷やし、企業の在庫投資を抑制し、それがやがて労働市場に及んできたということだ。
870万人の求人数は、全米の失業者数650万人に較べるとまだ大きな数字だが、2022年3月の求人数が1,200万人だったことに較べると労働需給のギャップは縮まっている。
ギャップが縮まると賃上げ圧力が減り、インフレ鎮静化につながるからソフトランディングの可能性が高まるというのが、エコノミスト達の見方だ。
そのような読みを織り込んだのかどうかは知らないが、昨日の10年国債利回りは前日の4.286%から4.171%に低下した。
株式市場では、金利に敏感なハイテク銘柄が多いナスダックは上昇したが、ダウは下落した。ただしいずれも小幅な動きのようだ。マーケットは金曜日の雇用統計を注目しているのだろう。WSJによると先月の非農業部門雇用者増は19万人ということだ。