歴史を振り返れば永遠に繁栄を続けた帝国というものはない。繁栄の後には没落と滅亡があった。
その一つの例が古代の大帝国ローマだ。
ローマ帝国特に東西に分離した後の西ローマ帝国の滅亡については、傭兵によって滅んだという見方がある。平和な時代が続く間に、ローマ市民は兵士になることを厭うようになり、戦争をゲルマン人の傭兵に任せるようになった。
西ローマ帝国はゲルマン民族の侵入によって滅亡した訳だが、ゲルマン民族の侵入に立ち向かったのは、ローマ市民軍ではなく、ゲルマン人などで構成された傭兵部隊だった。傭兵隊長は要求に従わない皇帝を追放するなど実権は、帝国が滅亡したといわれる西暦476年以前にすでに異民族の手に渡っていた。
最近ロシアでは傭兵部隊ワグネルを率いるプリゴジンとロシアの国防省などとの対立が激化している。
プリゴジンは国防省が意図的にワグネル部隊を爆撃したと非難し、そもそもウクライナ侵攻は、国防省らがプーチンに嘘の情報を流したことで始まったと批判を強めている。
これに対し、ロシアの検事総長はブリゴジンを武装反乱の容疑で捜査を開始すると述べたと報じられている。
ワグネルと国防省・正規軍との間には戦闘を伴わない確執が続いていたが、ここにきて火を噴いたようだ。
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ワグネルの反乱?がどのような決着を迎えるのか?
ワグネルの背後ではNATOやアメリカが動いているのか?
実質的にウクライナ侵攻をリードしてきたワグネルの反乱で戦線はウクライナ有利に傾くのか?
わからないことが多い。
だが将来もしロシアの敗退あるいはプーチン政権の崩壊が歴史に刻まれる時がくれば、後世の歴史家はロシアは傭兵で滅んだと記す可能性があるだろう。