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腐敗自民の金権政治

2024年05月18日 | 政治・経済

 腐敗自民の金権政治

高等小学校と夜間高校、通信教育の肩書だけで地盤・看板・鞄も持たず、「巧みな官僚操縦術」、「膨大で明晰な知識」、「徹底してやり抜く実行力」を武器に総理に迄上り詰めた田中角栄氏は「コンピュータ付きブルゾーザ」と呼ばれ、庶民宰相として人気を博したが、一方総理になってからは、金権政治家として強い非難に晒された。

しかし田中政治には確たる政治理念・哲学があり後世に残る幾つかの実績に照らし、無知・無恥・無能・無教養・無反省を絵に描いた様な安倍に始まり岸田に至る私利私欲、保身しか見当たらない様な薄汚れた金権政治とは全く異質のものであったと言えるだろう。

田中は通産大臣時代、戦後初の日米貿易摩擦とされる「日米繊維交渉」ではアメリカに対して国益第一と粘り強く交渉し、貿易戦争の瀬戸際になるまで妥協しなかったことも語り草となった。アメリカ一辺倒で無かった事は、「日中国交回復・正常化」「アラブ寄り外交」として現れ、其の外交スタンスがニクソン・キッシンジャー政権の不興を買い、ロッキード事件に繋がったとの見方もある。又国政では「雪の降らない太平洋ベルト地帯」を工業化すると言う従来の方針を一変し、そういう温暖な地域こそ農作物が育ち易い、寒い農作物の育ち難い地域にこそ工業を誘致すべきであるとして地方創生を政治哲学とした。要はどの地域にも農業・畜産・工業を発展させる、其の為には高速道路網の整備を行い農村近代化を図ると言う「日本列島改造論」に結実したのである。

過って小泉元首相は自民党をぶっ壊すと叫び、安倍・麻生の様な漢字もまともに読めず、橋にも棒にもかからない様な無知・破廉恥でバリバリの世襲議員を重用した結果、自民党どころか日本をぶっ壊す事態となった。 阿保(安倍)のミクスのお陰で円は大暴落、国の借金は1200兆円にも膨れ上がり、少子高齢化対策に手を打たなかった為2050年には総人口は3300万人減の9500万人迄落ち込み、又高齢化率は20%から40%に跳ね上がる事が確実視されている。GDPも既にドイツに抜かれ、早晩インドに抜かれ5位に後退するのも目に見えている。成長が見えず株価も30年前と変わらず、全ての面で2流国への坂道を転がり始めている。年金問題等も含め日本の若者に明るい未来があるのだろうかと危惧される。

東大名誉教授・上野千鶴子氏は雑誌「世界3月号」の「安倍政治の罪と罰」と題する論評の中で標題を「安倍政治の功と罪」を考えたが、功が思いつかなかったので「罪と罰」としたと述べ、安倍が数々の罪を犯した「天罰」で銃撃を受けたと言う意味ではなく、愚か者(=安倍の支持者)が安倍長期政権を維持させた罪でその罰を今日我々国民が受けているのだと指摘されている。  安倍の死によって臭い物の蓋が外れた。国連の勧告にも拘わらず、選択的夫婦別姓を棚晒しにした為、ジェンダーギャップは150か国中125位と低迷しているが、その背景には、安倍の応援団である統一教会やその他の宗教保守の不合理な守旧主義の主張がある事が明らかに成った。選挙で票を得る為には悪魔とも手を結ぶのも厭わない証左である。 安倍政権でとりわけ際立つのは、国政の私物化とモラル崩壊である。

安倍本人と妻の昭恵氏が関与した疑いの「森友学園」「加計学園」疑惑に続き、大問題になっている「桜を見る会」の疑惑は、その典型である。税金を使った公的行事「桜を見る会」に後援会員らを多数招待し“接待”したとされる「桜」疑惑は、マルチ商法で批判されているジャパンライフ元会長に首相推薦枠とされる区分番号「60」の招待状が送られていた問題まで浮上するなど、文字通り底なしであった。 安倍は、臨時国会の予算委員会での審議に応じず、政府も招待者名簿を廃棄したと主張するなど隠蔽姿勢をあらわにしたが、国会閉会後の野党の結束した追及と調査で、招待状の「60」が首相枠だったことが公文書ではっきり示され安倍得意の嘘とごまかしが明白となった。(嘘・ごまかし・はぐらかし・隠蔽・改竄)等国民を欺く手法が自民党の重要な政治手法となった。

 首相が任命した閣僚の「政治とカネ」の問題も深刻で、菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相を含め、第2次政権発足後辞任した閣僚は10人に上り、カジノをめぐる収賄容疑で自民党所属だった秋元司衆院議員が逮捕されモラルは地に落ちた。税金をあたかも自分の財布の如く使い放題・やりたい放題、この風潮が自民党内に蔓延し、現在の裏金事件に発展した。裏金をバラまいて選挙に勝てば、経済界や医師会等の支援業界団体から巨額のカネが転り込む、それを又裏金として党内で配り、選挙で仲間を増やす、当に裏金の再生産システムである。この様に裏金をもとにして権力基盤を築き上げるのが自民党の体質であり、権力の源泉である事は、自民党政治刷新本部座長の鈴木馨祐衆院議員が5月12日のNHK「日曜討論」で、抜け穴だらけの政治資金規正法改正の与党案を野党議員に批判されると、「野党の意図は自民党の勢力を削ぎたいのだ」と明言している。裏金作りのスキームを手放すことは「権力基盤を失い、勢力を削がれる」と自白し、「語るに落ちる」を地でいくことになった。如何に悪知恵を絞って抜け道を作り国民の目をそらす、自民党にはそれしか無い事が明白となった。

兎に角、政界を浄化し公平公正な選挙制度を作るには、既に巨額の政党交付金(税金)を与えているのだから、「企業献金、政治家のパーテイによる集金システム」を禁止し、受け取った政党交付金の使途を明確にすることを義務づける必要がる。自民党の最終目標は、『企業献金』『政治資金パーティー』『政策活動費』--この3点セットを死守することにある。其の為には規正法改正の争点が此の3点に向かわないよう、少しでも議論を3点セットから遠ざけるのが得策と考え、ごまかしの規正法改正の自民党案を提出しようとしているのである。常日頃、教育勅語の重要性を説き「愛国心」や「道徳教育の重要性」をぶち上げる彼等に愛国心や道徳心の欠片も見られない。それどころか献金・パーティで集めた資金を裏金として貯め込み、選挙の買収資金や乱痴気パーティ資金に流用する。更には税金を使って、海外視察名目で観光地に出向き、エッフェル・ネーさんたちの様に観光や同僚・支援者にお土産と称してネクタイ等のブランド品を買い漁る、浮気のホテル代もそこから出ている可能性すらある。何に使っても政治活動費用だと主張する。

岸田は政策活動費をオープンにすることは政治活動の自由の妨げになる。使途を広く公開すれば、自民党の活動と関わりのある個人のプライバシー、企業団体の営業秘密を侵害するし、党の戦略的な運営方針が野党や諸外国に明らかになったりすることで不都合が生じると述べたが、公金の不正使用が表沙汰になるのを恐れているだけである。

中国新聞は9日から連日1面トップで、自民の公認候補者が13年の参院選で個室で安倍元首相から直々に現ナマ100万円入りの封筒を貰ったと当事者である候補が匿名を条件に証言しており、政治資金収支報告書に記載がない裏金である為、同紙はその原資が官房機密費から出た可能性を指摘している。これは官房機密費の目的外支出、背任・横領に該当する。安倍が選挙に強かったのはこのような金の力、統一教会の様な反社勢力の利用があったからである。安倍が裏金を止めようと言ったと言われているが眉唾も好いところ、当時自分の周辺に調査の力が伸びつつあったことを敏感に察知して一時的にやめようと言ったに過ぎない。

 ロシアの諺に「魚は頭から腐る」と言うのがあるが、棄民党と揶揄される自民党、ボケ症状顕著な(頭)部分に相当する派閥の領袖や同年代の高齢者達は勿論だが、青年局・女性局を含む腸(ハラワタ=胴体部分)、地方組織の(尻尾や鰭部分)、更には医師会・財界等の利権集団、公明党の様な(金魚の糞)の部分に至る迄、腐り果て悪臭・腐臭を撒き散らしている。

安倍、麻生、二階の様な腐った頭の派閥に50100人にも上る議員が「しもべ」となって何故集まって来るのか全く理解できなかったが、その胴体部分や尻尾自体がすでに腐りきっている事が分り、合点が行った。安倍派の萩生田・世耕等の5人衆を見ても、腐りきった様子が顔に迄現れている。

金が無いと政治活動が出来ないと言うのが「腐った頭や胴体」の口癖だが、高級料亭で会食したり、破廉恥パーテイーを開いたり、エッフェル観光や不倫を楽しんだり、多量の蟹やブランド・ネクタイを同僚や支援者に配る事等は政治活動と何の関係も無い。彼等には「有り余る暇」と「濡れ手に粟」の脱税資金がそれを可能にしているのである。

経団連は自民党を堕落・腐敗させた張本人だが、経済人個人の集まりである「経済同友会」が最近、「政治行政改革委員会」の名前で政治不信の解消に向け、政治改革のモメンタムを高める為の5つの提言を行ったが、下記の様な有意な内容となっている。

  •  政治資金の可視化…「会計責任者を国会議員とする」事を含む。
  •  実効性ある政党ガバナンスコードの制定とその公表…「候補者選定、議員の登用基準、資金配分のルール化」等を含む
  •  官僚の働き方改革…国会質問の通告・質問取りに関する情報公開等
  •  国会審議の充実化、国民への可視化
  •  政党法の制定…政党ガバナンスの適用義務化、政党交付金の使途制限・返還ルールの厳格化、倫理規定の標準化

基本は政治資金については金額の如何に拘らずガラス張りにする事が大前提。税務申告同様、法人・個人を問わず、収入・支出先、日付、金額、支出内容の詳細を明確にすることで、国会議員の特権は一切認めなくする必要がある。

国会議員一人に要する経費は歳費を含め約8千万円。官僚のメモが無いと答弁も儘ならない、記者会見も補助者のサポートが必要な老人、政治屋以外に生活の術を知らない世襲政治家、自民国会議員の大半がこれに該当するが、こんな連中に真面目に収めた税金が原資になっているのである。

緩み切った自民党には政権交代が唯一の薬、国民は政権交代無くして政治改革等は「夢の又夢」と肝に銘ずべきである。

 

 

 

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