追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

民主主義の劣化

2016年10月20日 | 文化・文明
イギリスのEU離脱に始まりアメリカ大統領選に於ける共和党トランプ候補、
支持者の熱狂が多少冷めたと言え、尚一定の支持を集めていることを考える
と民主主義の本家である両国で理想的な形に至る前に、既に制度の劣化が
始まったのではないだろうか。

チャーチルによれば「民主主義は最悪の制度である」、「しかしこれ以上
良い制度も見当たらない」という事だが、必ずしもそうとも言い切れない。

シンガポールは政党・議会・選挙等民主的諸制度は残しているが一党支配に
よる独裁政権によって経済的に大きな成功を収め世界有数の貿易・金融セン
ター、世界3位の国民所得(所得格差も大きいが)を誇っている。
日本の徳川政権は260年の長期に亙って繁栄したし、帝政ローマの例もある。
イタリアの小国ベネチア共和国は10人委員会等寡頭独裁政権でナポレオン
に滅ぼされる迄歴史上最も長く続いた(千年以上)共和国、「アドリア海の
女王」として名を馳せた。

一方ドイツでは20世紀の民主主義憲法の典型とされるワイマール憲法のもと
でヒトラーを生み世界大戦の導火線となったし、日本も普通選挙が始まり
政党政治が舵取りを誤って、ポピュリズムに陥ったため勝算のない太平洋
戦争に突入し国を滅ぼしてしまった。

この様に見てくると第二次世界大戦以降も戦争は絶えることがない。

つまるところ民主主義はポピュリズムや衆愚政治に堕しやすく、その結果
戦争を引き起こして無駄にリソースを浪費し、国を衰退させる危険性が
極めて高いと言えるのではないだろうか。 



民主主義の劣化…(2)へ続く
 

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