わが夫を四字熟語で表すと、間違いなく「無芸大食」である。とにかくよく食べる。そして、食べていないときはテレビを見るか、居眠りしているかのどちらかだ。
だから、3月2日に、「明日はちらし寿司でも作ろうか」と言い出したときには、ついにボケてきたのだと覚悟した。大好きなテレビをつけ料理番組を見ているうちに、自分にもできると錯覚しているのではないかと。
ああ、お先真っ暗だ……。
「ただいまぁ」
翌日、米粒ほどの期待もせずに帰宅した。だが、専業主夫の声は明るく弾んでいる。
「おかえりぃ~」
まさかと思ってキッチンをのぞくと、テーブルの上には料理番組で見たようなちらし寿司が載っていた。
おりょりょ。
いただきものの大皿には、きざみ海苔と胡麻をちらした寿司飯が、こんもりと盛り付けられている。上には、柔らかな黄色の錦糸卵、濃いめの赤のマグロ、白地にオレンジが映えるエビが放射線状に並んでおり、視覚に訴える美しさだ。鮮やかな緑で場を引き締めているのは、菜の花だろうか。
「へー、すごいじゃない! よくできてる」
夫からの返事はなかったが、口元がキュッと上がっている。心からの褒め言葉は、ちゃんと相手に届くものなのだ。
「いただきまーす」
マグロとエビの影から、とびっこにイクラ、ウニが転がり出してきた。ここに、甘く煮付けたシイタケが加わって、どこぞの料亭でとびきりの贅沢をしている味となる。
美味しい美味しいと繰り返しながら、夫への評価を修正する。「無芸大食」は間違いだったようだ。「一芸一能」あたりが適切だろうか。
私と娘が4分の1ずつ食べ、半分は夫がすべて平らげた。
「大食」は修正しなくていいようだ。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
だから、3月2日に、「明日はちらし寿司でも作ろうか」と言い出したときには、ついにボケてきたのだと覚悟した。大好きなテレビをつけ料理番組を見ているうちに、自分にもできると錯覚しているのではないかと。
ああ、お先真っ暗だ……。
「ただいまぁ」
翌日、米粒ほどの期待もせずに帰宅した。だが、専業主夫の声は明るく弾んでいる。
「おかえりぃ~」
まさかと思ってキッチンをのぞくと、テーブルの上には料理番組で見たようなちらし寿司が載っていた。
おりょりょ。
いただきものの大皿には、きざみ海苔と胡麻をちらした寿司飯が、こんもりと盛り付けられている。上には、柔らかな黄色の錦糸卵、濃いめの赤のマグロ、白地にオレンジが映えるエビが放射線状に並んでおり、視覚に訴える美しさだ。鮮やかな緑で場を引き締めているのは、菜の花だろうか。
「へー、すごいじゃない! よくできてる」
夫からの返事はなかったが、口元がキュッと上がっている。心からの褒め言葉は、ちゃんと相手に届くものなのだ。
「いただきまーす」
マグロとエビの影から、とびっこにイクラ、ウニが転がり出してきた。ここに、甘く煮付けたシイタケが加わって、どこぞの料亭でとびきりの贅沢をしている味となる。
美味しい美味しいと繰り返しながら、夫への評価を修正する。「無芸大食」は間違いだったようだ。「一芸一能」あたりが適切だろうか。
私と娘が4分の1ずつ食べ、半分は夫がすべて平らげた。
「大食」は修正しなくていいようだ。
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「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
内容もかなり贅沢な食材でおいしそうですよね~!
私なら一皿全部食べちゃいそう~!(笑)食べるのが好きな人は料理にもこだわりを持ってつくりますからね~!(私も含めて)
よほど嬉しかったようですね、文章から読み取れます(*^^*)ポッ
この先専属シェフの料理が食べられそうな予感がしたのでしょうね。
それにしても見た目の色合いは素晴らしいです、芸術的かと。
料理番組を見て取り組んでいるとなるとフランス料理も夢ではないかと(笑)
そうですね、美味しいものを作るには、まず食べることが好きでないと。
食の細い人や、偏食の激しい人が美味しい料理を作れるとは思えません。
しかし、一皿全部はダメですよ!
血糖値が上がりますから(笑)
私はだいぶ改善された気がします。
甘いものが欲しくなくなったし、痩せました。
この調子で頑張ります。
おだて過ぎると、そればかりを作るようになります(笑)
少々控え目にしましたが、たまにはいいでしょう。
片割れ月さんが奥様のことを書くのに近いかも…。
しかし、異性としての魅力は感じません。
専属シェフとして、胃袋を刺激する魅力ですかね。
美味しくいただきました♪
ホント、料亭の雰囲気ですよ…って、料亭に行ったことないけど。
無芸大食から昇進ですね。
これからもどんどん忙しくなる砂希さんに代わるシェフとして、活躍なさることでしょう。
ところで、目がなぜか「無・芸大食」と読みました。
芸大の食堂は一般人でも利用できるようです。
すごく評判がいいかは別にして、なくなったら困るのでしょうね…。
すいません、大脱線。
意外な特技にビックリです。
多彩である必要はないけれど、実用的な技術さえあれば。
毎年作ってもらおうかしら(笑)
芸大の食堂は知りませんが、女子栄養大の学食がすごいとか。
娘は志望していなかったのに、学食目当てで行こうとしていました。
日程が合わず断念。
今年こそチャレンジしてみようかな~。
今日は久々に映画を見て楽しんできました♪
男性は凝り性の人多いから、YDKなんでしょうね。
(やればできる子w)
今後はどんどん得意料理を増やして、多芸大食になってもらいましょう。
僕なんて、寿司太郎の具材を御飯に混ぜて、海苔散らすくらいしか出来そうもないですわ。
自分で作って、たくさん食べて、妻娘に喜んでもらえれば言うことないっしょ。
このまま、うまく木を登らせよう!
はい、無芸大食は撤回します(笑)
しかし、多芸は無理かと…。
一芸大食で満足ですよ。
意外な特技に驚きました。
来年に期待しちゃうかも~!
おだてると木に上りそうです。
うちはブタならぬ牛なんですけどね(笑)
木が折れるかもしれません。
寿司太郎とは、またお手軽な(笑)
一応、具はスーパーを梯子して買ってきた模様です。
手間暇かけてくれてありがとう、って感じです。