げんのしょうこはどくだみと並ぶ民間薬で、平安時代にはタチマチ(忽)草と呼ばれていた。別名をみるとテキメン草、イシャイラズ、セキリグサと薬効の高い名前がみられ、そのほかにはネコアシグサ、ミコシグサなど形状からくるものが多い。
しかし、今までげんのしょうこを意識して探さなかったので、確認できないでいた。孫を岩谷小に練習試合に連れて行ったが、私はバレーには興味がないので、河原を散策していた。
げんのしょうこがあるではないか!

すぐにネットで確認した。間違いない。
げんのしょうこを漢字まじりで直すと「現の証拠」となり、現によく効く証拠の意味となる。江戸時代に入って下痢止めによく効くというので現在の呼び名に変わったのである。
日本全土のほか東アジアにもみられ、日当たりの良い山野、原野、丘陵、土手、路傍、河川敷などに自生する。

夏季に葉液から細い花柄が出て先端に小柄のある花二個をつける。成分の最も強くなる花の最盛期に、地上部(葡萄茎と葉と花)だけを刈り取り天日に干す。翌年のことを考えて根部を必ず残すこと。カラカラに乾いたら、げんのしょうこ茶の出来上がりで、一センチメートルぐらいに刻み密封して保存する。
また容易に入手できない場合は、健康食品チェーンからの入手も可能。価格も比較的安い。ハトムギ茎を混合して販売しているメーカーもある。
げんのしょうこ茶はタンニンを多量に含み絶対に副作用のないことで知られている。消炎、収れん、止瀉、止血、制菌作用がみられる。別の表現をすれば胃の炎症を抑え、ただれや潰瘍に対しても有効である。食あたりによる激しい下痢にもよく効く。
整腸薬としても上薬(副作用のない最高の薬)で健胃・強壮効果も期待され、お茶のように飲む事ができる。
げんのしょうこは下痢止めの妙薬であるが、逆に便秘にも効果的なことが判明している。便秘すると肌が荒れるが、肌を滑らかにする作用も大きい。小さな切り傷や虫さされには生葉をかんで貼りつけておくと、痛みも薄らぎ、また止血作用もみられる。覚えておくとハイキングなどのアウトドアライフで便利である。
げんのしょうこは祖先から伝えられた薬効のあらたかな自然の生薬である。見慣れていないため名前は知っているが、生えていても気がつかない場合が多い。

何処にでもありそうだが、ここには2株しか無かったので採取は控えた!また一つ経験値が上がった。