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2021年第19回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作とのこと。
私は、最近の流行作家の方の小説はほとんど読まないのですが、テレビドラマ化された番組の評判も結構高いようなので、原作を読んでみることにしました。
テレビの方は観ていません。素直に「ミステリー小説」としての感想です。
主人公は “バリバリの若手女性弁護士”。作者の新川さんご自身も弁護士なんですね。ディーテイルにリアリティがあるのも当然です。
さて、「タイトル」がキャッチーな本作品ですが、それに加えて「主人公」がとても個性的なキャラクタで、このプロットが本作の魅力の源泉になっているように感じました。
まあ、小説そのものについての正直な感想としては、登場人物が多くて目くらましが過ぎるように思いましたし、エピソードの内容や配置も必要以上に複雑で、私にはちょっと「合わないな」との印象でした。
特に、最後の最後になって、それまでの伏線を回収しつつも、さらに新たな縺れた糸を示しながら謎解きを語るといった“まどろっこしい構成”はいかがなものかと思います。
「どうだ、ここまであれこれ考えているんだぞ」という気概は感じますが、そこは、“過ぎたるは及ばざるが如し”、もう3割ぐらいあっさりした仕上げに留めておいた方がスマートでしたね。
せっかくシリーズ化しても耐えられそうな「エッジの利いた主人公」を登場させたのですから、ちょっと残念です。
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