少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切る お金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。
私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある “資産の処し方” について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。
その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。
まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。
(p19より引用) 今しかできないことに金を使う。
それこそが、この本で伝えたいことの核だ。
90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢かもしれない。過去に戻って時間を取り戻すこともできない。
金を無駄にするのを恐れて機会を逃がすのはナンセンスだ。金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうことのほうが、はるかに大きな問題ではないだろうか。
全く同意です。(が、私はまったく実行できていません)
そして、著者は、こういう言い方もしています。
(P230より引用) 私たちは、さまざまなことを体験し、発見したいと思っている。仕事をすれば、それらを叶える手段(金)が手に入る。だから私たちは、働き、金を稼ぐことに必死になる。だが、いつのまにかそれ自体が目的になってしまい、もともと求めていたものが何かを忘れてしまっている。それでは本末転倒だ。
まさにそのとおりだと思いますし、遅まきながら私も完全に「使うフェーズ」に入っています。
ただ、この歳になっても、「自分のやりたいこと」が明確にあるわけでもなく、(自分で言うのも無責任極まりないのですが、)それについて真剣に考えたことすらないんですね。これが、出遅れている致命的な要因です。
とてもマズイ状況だということは痛感しているので、ともかく、まずはここからです。
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