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今が良くても (「企業価値の源泉」より)

2005-06-15 00:09:17 | 本と雑誌
(p110より引用) 多くの企業は「十分」やっている。・・・なぜ変わる必要があるのだろうか?過去の実績は将来の成功を保証するものではないのだ。自己満足した企業は発展しない。継続的に向上することに全力で取り組むことが、結局成功するための唯一の方法なのだ。変革という仕事に終わりはない。成功する変革とは必然的に、既存のイニシアチブを測定し、収益性のない戦略を放棄し、新しいプロジェクトを試行するという微調整の継続的なプロジェクトになる。またそれこそが、今日の市場にあって、リーダーとしての我々の仕事を面白いものに保ち続けてくれるのだ。


 変革し続けることの重要性については、いろいろな形で言われ続けています。

 元GEのジャック・ウェルチ氏も著書「わが経営」の中で同じようなことを言っています。

(p175より引用) 今日でさえ、こんな馬鹿げた言い方を耳にすることがある。「利益は出ている。いったい何が問題なんだ」場合によっては大いに問題だ。長期的な競争戦略がなければ、その事業が破綻するのは単なる時間の問題にすぎない。


 また、IT企業の日本ユニシス社がイニシアティブをとってまとめた「『価値組』未来企業へのシナリオ(監修:島田 精一)」という本の中にも以下のような記述があります。

(p79より引用) 過去のニーズを捉えたマーケットリーダーといえども継続的にリーダーである保証は何もない。ダーウィンの『進化論』との絡みで引き合いに出されるフレーズに「生き残るのは、強いものでも頭の良いものでもない。変化に対応できるもの」というのがあるが、変化を前提とした企業活動が極めて重要になるといえる。


 安住の中での感覚の麻痺は、よほど意識しないとその罠に陥ってしまうのでしょう。
 よく言われる「ゆでがえる現象」です。

〔ノエル・ティシュ(ミシガン大学経済学者)の話〕
 昔、高校の生物時間に実験したように、カエルを水の入った鍋にいれ、徐々に加熱してゆくと約12分でゆであがり「ゆでがえる(boiled frog)」になります。ところが沸騰したお湯の中にカエルを入れると飛び上がって逃げてしまいます。
 カエルを熱いお湯に入れると、ビックリして飛び跳ねて命が救われるのに、水の状態から入れてその水を温めていくと、カエルはその変化に気付けず、やがてゆであがって命を落としてしまう。


 緩やかな状況の変化は気づきにくいものです。それが望ましい環境下であればなおさらです。しかしながら、その変化を正確に把握しそれに対するアクションを先取りしていくべきとの教訓です。

 ただ、これは難しい。簡単にできるのであればこれほどいろいろな人がいろいろな場で指摘することはないでしょう。

 どうやったら、好調の波の中でほんのわずかな変化の予兆を感じ取ることができるのでしょう。
 これは、まさに最近私が最も気にしているテーマ「『what』の気づき」です。

企業価値の源泉―グローバル企業に学ぶ競争優位の情報戦略
日本NCR株式会社
翔泳社

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