(p234より引用) 僕は本を読むのが嫌いだ。極端な言い方をすると、本というものには過去のものしか書かれていない。僕は、本を読むとそれらにとらわれてしまって、何だか退歩するような気がして仕方がない。大体、僕の人生は、いわゆる見たり聞いたり試したりで、それを総合して、こうあるべきだということで進んできた。もし分からないことがあって、そのために本を読むんだったら、そのヒマに人に聞くことにしている。五百ページの本を読んでも、必要なのは一ページくらいだ。それを探しだすような非効率なことはしない。(1959年)
本を読むことの効用をどう考えるかですが・・・。確かに、多くの本の場合、それを読むのに費やす時間とその効用とは釣り合っていないものです。
何か具体的に知りたいことがあって本を読むのであれば本田氏の言うとおりです。 (百科事典?でもない限りはなかなかピンポイントで必要な情報は得られません(そもそも本田氏が知りたいようなことが百科事典に書いてあるとも思えませんね))
ただ、本田氏が本を読まないのは、時間と効用のアンバランスの故のみではありません。
「本には過去のものしか書かれていない」と述べられているように、氏は「過去」は参考にならない、参考にしたくないと考えているのです。
本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) | |
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