1958年公開の作品です。
ちょっと前に井伏鱒二さんの「駅前旅館」を読んだところですが、 それを映画化した作品があるというので観てみました。
内容は、原作に即したところもありますが、 映画化にあたってかなり手が入っていますね。 テーマのレベルでも変更されています。
好みもあるとは思いますが、映画の方がよかったですね。 時代の流れに翻弄される主人公の悲哀や取り巻く人々との絡みがし っかりと描かれているように思います。
森繁久彌さん、伴淳三郎さん、 フランキー堺さんといった当代の喜劇役者のみなさんの競演作です が、決して“ドタバタ喜劇”ではありません。 当時の世相をベースに、しっかり作り込まれた“人情劇”です。
そのほかのキャスティングについていえば、 やはり出色だったのは淡島千景さん。あと、 懐かしい役者の方々が大勢出演されていましたが、 女子高生役の市原悦子さんには、まあ驚きました。今のまま“女学生” にしたようです。