OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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寒い国から帰ってきたスパイ (ジョン・ル・カレ)

2021-02-10 08:03:27 | 本と雑誌

 ちょっと前に読んだ手嶋龍一さんの本(汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師)で紹介されたので手に取ってみました。

 海外のスパイ小説としては、以前、フレデリック・フォーサイスあたりは何冊か読んだことがあるのですが、恥ずかしながら、このジャンルの巨匠ジョン・ル・カレの作品はこれが初めてです。なので、最初の代表作のこの作品を選んでみたというわけです。

 この手の小説なのでネタバレになるようなコメントは避けるとして、印象に残ったフレーズをひとつだけ書き留めておきます。

(p316より引用) 平気でいられるわけがない。恥と怒りで、胸がむかむかしてくる……だが、おれは世間とは別種の人間だ。そんなふうに仕立てあげられている。どんなことにも、信頼できない男になっている。

 今の流行りからいえば、派手なアクションシーンもなく、また話の展開にスピード感も乏しく、かなり地味な作品ですね。その分、重厚なリアリティを醸し出していますが、“現実のインテリジェンスの世界”はこういうものなのかもしれません。

 

 

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〔映画〕ガメラ3 邪神<イリス>覚醒

2021-02-10 07:51:06 | 映画

 
 平成ガメラシリーズの3作目、再び、長峰真弓・草薙浅黄のギャオス・ガメラコンビの復活です。
 
 ただ、作品の出来としては今ひとつですね。
 ギャオスを再登場させた1作目との連関やガメラへの憎悪というプロットは秀逸な着眼だと思いますが、最後は腰砕けになってストーリーとしての広がりや深みが雲散霧消してしまいました。特に、物語における朝倉美都・倉田真也の役割が不自然かつ中途半端でしたね。

 ラストの京都駅のシーンは映像的にも迫力が感じられて素晴らしかっただけに、とても残念です。

 

 

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