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生きる姿勢 (一日一言―人類の知恵(桑原武夫))

2009-05-21 22:49:55 | 本と雑誌

Keller  歴史に名を残した人。
 そういった人の生き様から発せられた言葉は、やはり浸透力が違います。

 まずは、かのベートーヴェンの「手記」からの言葉です。

 
(p52より引用) つねに行為の動機のみを重んじて、帰着する結果を思うな。報酬への期待を行為のバネとする人々の一人となるな。

 
 純粋な行為の勧めであると同時に、おそらくは自分自身の信念でもあったのでしょう。

 次は、中国明代の陽明学左派の思想家 王心斎の「鰍鱔説」での言葉です。

 
(p101より引用) 甕に鱔あり。重なりあいて気息奄奄。一匹の鰍なかより現れて暴れまわれば、鱔は鰍によって身を転じ、気を通じ生意あるを得たり。・・・たちまち雷雨おこる。鰍、機に乗じて躍り出、大海に投じ、快楽かぎりなし。甕中の鱔をかえり見、身を奮って竜と化し、ふたたび雷雨をおこし、甕を覆す。かの気息奄奄たりしものみな蘇り、相ともに大海に帰りぬ。

 
 知行合一を説く陽明学のダイナミックな思想が迸ったような生き生きとした文章です。

 また、行動派という点では、西欧社会の代表としてフランス革命期のロベスピエールにも登場願いましょう。彼の「人権宣言草案」からのフレーズです。

 
(p124より引用) すべての国の人間は兄弟であり、諸国民は、おなじ国家の市民のように、その力に応じて互いに助けあわねばならない。・・・国王、貴族、暴君は何人であれ、世界の主権者である人類に対し、宇宙の立法者である自然に対して反逆する奴隷である。

 
 さて、最後は、有名な社会運動家ヘレン・ケラーの言葉をご紹介します。

 
(p106より引用) 私は、愛、四海同胞主義、平和などを説きながら、一方では、敵意を感じ、ときには剣をふりかざして戦をいどんでいることさえあります。・・・私は、さいごには愛が勝利をえるものだと信じていますが、同時に、自分の権利を守るために、やむをえず暴力を用いている虐げられた人びとへの同情も、また、禁じることはできないのです。

 
 こちらは、自分の気持ちに正直に向き合った、まさに真実の言葉だと思います。
 
 

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