書評で面白そうだと思って読んでみたのですが、ちょっと失敗したかなという感じでした。
内容は、確率/期待値・利率計算(単利・複利)・現在価値/将来価値等の概念を、多くの例題とその計算方法の説明を通して理解させてゆくものです。
新たな気づきではありませんが、私たちが会社のなかで、いろいろな評価(たとえば、業務委託先の決定のための評価等)で通常用いている方法が「ウェイティング&スコアリング・システム」として紹介されていました。
(p176より引用) 目的が3つ以上あって選択が困難になる場合、通常、数字を使って選択することが効果的である。「ウェイティング&スコアリング・システム」を使う方法がそれである。
この方法の問題点についても以下のようにコメントしています。
(p190より引用) ウェイティング&スコアリング・システムを使ってうまくいくかどうかは、評価項目をどこまで周到に選ぶか、各項目にどれだけのウェイトを置くか、どのような点数をつけるかにかかってくる。それらについて最善の判断をくだせば、求めているものを総合点が教えてくれる。
しかしながら、現実の世界では、「最良の判断をくだせば・・・」という条件を満たすことが極めて難しいのです。
そのあたり、この本の著者は非常に楽観的です。
(p190より引用) トレードオフの存在に気づき、選択の仕方をマスターすれば、トレードオフの状況に出くわしても困ることはない。
こういう場面、すなわち「トレードオフの関係のなかでの選択」の典型的なものが、会社の中での「社員の評価」です。
これは本当に悩みます。
しかし、著者はどこまでも楽観的です。最終章でこう言います。
(p194より引用) 全員が数字に強くなったら、どういうことが起こるだろうか?私たちみんながずっと幸せになる-それが答えである。
もちろん、そうなると本当にHappyですが・・・
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