松下幸之助氏の本は、氏があまりにも有名過ぎたこともあり、今まで一冊も読んだことがありませんでした。
今回手にした本は、例の日本経済新聞の連載「私の履歴書」に二度にわたって掲載された述懐をまとめたものです。ご本人の手によるものなので、全編、飾らない親しみやすい語り口で綴られています。
もちろん、「んんん・・・」と唸るようなことばが随所に見られます。
(p36より引用) 結局生産者はこの世に物資を満たし、不自由を無くするのが務めではないか。こう気付いた私は昭和7年の5月5日を会社の創立記念日とした。・・・私が使命を知ったときとしてこの日を選んだのだ。そしてこの使命達成を250年目と決め、25年を一節、十節で完成することにした。
松下氏は、創業後14年も経た後、改めて自らの事業における使命に気付いた日をもって「創立記念日」としたとのこと。
さらに、その使命達成の期限がこれまたふるっています。5年、10年先が目標というのは聞いたことがありますが、250年先というのは前代未聞です。
それほど大きな目標を定め、その目標に向かって25年ごとのマイルストーンを置く・・・、時間軸の目盛りが異次元です。