イソップ寓話の中でもとりわけ有名なもののひとつが「アリとキリギリス」でしょう。
この話の原型はイソップ寓話には2話あります。岩波文庫の「イソップ寓話集(中務哲郎訳)」では、「112 蟻とセンチコガネ」と「373 蟻と蝉」です。
このためでしょうか、世界には、この話の変化形として「アリ」のペアにいろいろなムシが登場します。「キリギリス」のほかに「甲虫」「トンボ」・・・ただ、いずこも働き者はやはり「アリ」です。
そのほか、イソップが起源かどうかは定かでありませんが、「イソップそっくりさん」です。
先に「毛利元就の三本の矢」のそっくりさんは紹介しましたが、「173 樵とヘルメス」は、日本各地に伝わる昔話の「金の斧銀の斧」と驚くほど同じです。
諺の類では、「人事を尽くして天命を待つ」≒「291 牛追とヘラクレス」ですし、「147 ライオンと熊」は、ライオンと熊が仔鹿をめぐって争ったあげくその仔鹿を狐に持っていかれる話で、まさに「漁夫の利」と同じです。
ちなみに、漁夫の利となる一歩手前で2頭が踏み止まる「338 ライオンと猪」という話もあります。