臨床心理士、公認心理士。スクールカウンセラー歴16年。
小・中・高に出向いています。ただ今子育て真っ最中。
子育ての悩み事についてお答えいただきます
Q:小学生(高学年)の子を持つ母です。子どもの「友達はいない。ぼっち(一人ぼっち)が好き」という言葉が気になっています。
担任の先生に学校での様子を聞いてみると、クラスメートの輪の中におり、グループ活動もしているようです。親としては、人と関わることを求めていないことが心配になります。
A:「友達」から連想するもの。いつも一緒にいる人、話題を共有できる人、登下校一緒に行動する人、放課後一緒に遊ぶ人、といろいろです。
小学校高学年になると友達づき合いがそれまでと変わってきます。10歳頃までは、男女ともに一緒になって体育館や外にワーッと遊びに行ったり、教室で昨日見たテレビの話やゲームの話をしたりする様子をみかけますが、高学年になると趣味や関心、クラブ活動などを通した仲間とのグループづきあいに変化します。同じゲームにはまっている、好きな芸能人が一緒、集めているキャラクターが一緒などでグループになり、そのグループの人にしかわからない話題も好むようになります。そういった仲間がいることで本人たちの日々は楽しく充実します。少し嫌なことがあっても頑張れたり、耐えたりすることもできます。仲間内で喧嘩と仲直りを繰り返しながら、友だちづき合いを学びます。
一方で、自分の好きなものについて話せる人が近くにいないときには、ひとりで過ごす人もいます。周りの話題に自分を合わせていくよりは、自分の好きなものを自分の中でこっそり温めておくことの方が居心地良いのだと思います。
と、考えてみると、質問者のお子さんは一緒に過ごしたい人が今、近くにいないだけではないでしょうか。だから、「友達」がいない。でも、その場にあわせてクラスメートと過ごすこともできる。お母さんの心配は一度、奥にしまってもよさそうです。ひとりぼっちが好きなことは悪いことではありません。ひとりの時間を楽しむことは、楽しみを共有できる人との出会いを待つ時間にもなっているかもしれませんよ。
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