今年度最初のうとう塾は、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター・センター長の増田貴人さんをお迎えして開講しました。
最初に、障害(障がい、障碍)には①医学的診断に基づいた心身機能の「障がい」の医学モデルと②周囲の大人や仲間との関係による「障害」の社会モデルの2つの考え方・とらえ方があり、社会モデルの「障害」を明確化し、それを軽減し子どもが活動に参加できるように工夫し実践するかが早期支援であり、日常的な支援(家庭教育や学校教育)になっていくと話されました。
子どもの発達の遅れ・偏りを確定的に診断・評価するのはとても難しく、低年齢であるほど診断が無い前提で援助を考えることが多くなります。「診断名」にこだわると「その子に必要な援助」を見落としかねません。大人たちの役割は、医学モデルの障がいの種類(診断名)を探すより、むしろその子の“対応の難しさ”社会モデルの障害をより小さくする援助・特性を理解し、励ましたり、ていねいに教える好意的な促進因子となる援助を探すことが大切だということです。
次に「集団に入れない」と言う課題に対し、困っているのは「誰」なのか、「入れない」を、何をもって判断しているのか?「入らない」or「入り方を知らない」の可能性は考えているのか?の投げかけがありました。どんな行動でも①意欲②理解③遂行がすべてそろわなければ成立しません。行動のどこに問題があるのか?整理することで、集団に入らない時、①かかわられることを意識的に避ける②何をすべきか理解せず、その場にいるだけ③意思はあっても、スキルが乏しい。ということを知る・考えることが大事とのことです。
援助や指導は、子どもなりの思考が尊重され・誘われ方が大事で、子どもだけでなく、繋がりがある家族・学校・仲間・地域などの関係性を重視し、全体的視点も大切です。そして、かたちが見えない「目的・意味」を明確化し、わからない漠然としたモヤモヤ・不安が困惑や怒りに繋がらないように心がけ、基本的な信頼関係と自尊心を育てるために、褒めるのではなく認める積み重ねやできる事に目を向けること、そして伝え方のポイントを話してくださいました。
参加者アンケート(一部抜粋)
意欲→理解→遂行のどのレベルに問題があるのか、問題の分析の解釈度が上がった気がします。
診断名にこだわりすぎずに、社会的モデルの障害をいかに小さくしていくかが大切だということ。
行動の背景(意欲、理解、遂行)など、大変勉強になりました。
子供のことのみならず、自分のことにも置き換えて学べる時間でした。
「ほめる」ということにも何種類もあって、こういう内容だと信頼を得れるなど、いろいろと深く詳しく教えて頂き、日常にもとてもいかせると思い、勉強になりました。
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