サポートセンター通信(サポセン通信)No4に、記載した《鳴海先生のQ&A》を皆さまにもお知らせしますね。
児童心理治療施設「青森おおぞら学園」施設長 鳴海明敏さん
「チャイルドラインあおもり」で子どもの声を電話で受ける活動もされる鳴海さんは、とてもわかりやすく私たちの疑問や質問に寄り添ってくださいます。
Q 小学校2年の娘に、いつも仲良しのA子がいます。休み時間にB子に遊びに誘われ「A子さんもいい?」と聞くと「ダメ!」と言われ、娘だけが連れて行かれます。本当はA子さんと遊びたいし、一人ぼっちになってしまうA子さんのことも気になるのですが、強い子の前では何も言えなくなっているようです。こんな時、親としてどう話したら良いでしょうか?
A 娘さんは、A子さんB子さんとのことをお母さんに相談できるのですね。娘さんが友達とのことを、お母さんに相談できるという、そのことが素晴らしいことだと思います。さてこの場合親として、どんな対応が可能でしょうか? 四つの対応のパターンをあげてみました。皆さんの場合は、どんな対応になるでしょうか?
①状況や娘さんの気持ちをよく聞いて、娘さんがどうふるまったらいいか(親身になって)具体的にアドバイスする。
②娘さんと友達とのことなので、状況を聞くこともしないし娘さんの気持ちを聞くこともしない。(勝手にしなさいということで)アドバイスもしない。
③A子さんのことも気になるし、B子さんには逆らえないと、二人の友達との間で板挟みの状況に置かれている娘さんの状況や気持ちを(ゆっくり)聞いてあげるけど、アドバイスはしない。
④娘さんの気持ちも置かれている状況も聞かないで、いつもの決まり文句のアドバイスをする。
「娘さんの話を聞くこと」と「お母さんがアドバイスすること」を組み合わせて、四つのパターンにしてみました。
①の対応をしようとする方は、かなり多いのかなぁと思います。分のこれまでの経験や知識を総動員して、我が子のためになんとかしたいと思うのは、もっともな親心だと思います。でも、この方法が成果を上げるのはなかなか困難なんですよね。それは、A子さんやB子さんの動きを予想するのがとっても難しいのと、娘さんとお母さんは別人だからです。あなたがするようには娘さんは行動できないからです。お母さんにとっては正解だとしても、娘さんにとっては正解だとはならないことも多いのです。だから、アアドバイスとしては正解かもしれないけども、結果的に、お母さんの言う通りやってみたけど上手くいかなかった、ということになりかねません。
②の対応は、娘さんの自主性を育てるという点では、いい方法かも知れませんが、小学校2年生という年齢では、ちょっと突き離し過ぎかもしれませんね。せっかく相談したのに、お母さんはちゃんと話を聞いてくれないと、娘さんが不満に思うかもしれません。
③の対応は、ゆっくり話を聞いているうちに、娘さんの中にヒントが浮かんでくることが多いです。あとは、失敗してもまた一緒に
考えてあげるから、やってごらんと背中を押してあげればいいのです。
④の対応は一番楽ですよね。何が起きても、「あなたは私の娘だから、大丈夫。きっとうまくいくよ。」といういつものアドバイス
で切り抜けるのです。
さて、皆さんの対応はどんな対応になるでしょうか。いずれにしても、子どもたちは子どもたち自身の力で、いろいろあっちこっちにぶつかりながら成長していくんだと思います。お母さんとしてはその力を信じて、少し離れて見守ってあげることが出来ればいいんだろうなあと私は思っています。いかがでしょうか?