青森市子育てサポートセンター

「子育てをしている保護者のみなさんのお役にたちたい!」という熱い思いで、活動に取り組んでいます。

子どもの可能性を広げる早期支援

2024-07-28 12:21:35 | うとう塾

 今年度最初のうとう塾は、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター・センター長の増田貴人さんをお迎えして開講しました。

 最初に、障害(障がい、障碍)には①医学的診断に基づいた心身機能の「障がい」の医学モデルと②周囲の大人や仲間との関係による「障害」の社会モデルの2つの考え方・とらえ方があり、社会モデルの「障害」を明確化し、それを軽減し子どもが活動に参加できるように工夫し実践するかが早期支援であり、日常的な支援(家庭教育や学校教育)になっていくと話されました。

 子どもの発達の遅れ・偏りを確定的に診断・評価するのはとても難しく、低年齢であるほど診断が無い前提で援助を考えることが多くなります。「診断名」にこだわると「その子に必要な援助」を見落としかねません。大人たちの役割は、医学モデルの障がいの種類(診断名)を探すより、むしろその子の“対応の難しさ”社会モデルの障害をより小さくする援助・特性を理解し、励ましたり、ていねいに教える好意的な促進因子となる援助を探すことが大切だということです。

 次に「集団に入れない」と言う課題に対し、困っているのは「誰」なのか、「入れない」を、何をもって判断しているのか?「入らない」or「入り方を知らない」の可能性は考えているのか?の投げかけがありました。どんな行動でも①意欲②理解③遂行がすべてそろわなければ成立しません。行動のどこに問題があるのか?整理することで、集団に入らない時、①かかわられることを意識的に避ける②何をすべきか理解せず、その場にいるだけ③意思はあっても、スキルが乏しい。ということを知る・考えることが大事とのことです。

 援助や指導は、子どもなりの思考が尊重され・誘われ方が大事で、子どもだけでなく、繋がりがある家族・学校・仲間・地域などの関係性を重視し、全体的視点も大切です。そして、かたちが見えない「目的・意味」を明確化し、わからない漠然としたモヤモヤ・不安が困惑や怒りに繋がらないように心がけ、基本的な信頼関係と自尊心を育てるために、褒めるのではなく認める積み重ねやできる事に目を向けること、そして伝え方のポイントを話してくださいました。

参加者アンケート(一部抜粋)

 意欲→理解→遂行のどのレベルに問題があるのか、問題の分析の解釈度が上がった気がします。

 診断名にこだわりすぎずに、社会的モデルの障害をいかに小さくしていくかが大切だということ。
  行動の背景(意欲、理解、遂行)など、大変勉強になりました。

 子供のことのみならず、自分のことにも置き換えて学べる時間でした。

「ほめる」ということにも何種類もあって、こういう内容だと信頼を得れるなど、いろいろと深く詳しく教えて頂き、日常にもとてもいかせると思い、勉強になりました。

 

 

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子どものやる気を引き出すナッジ

2024-06-28 14:58:06 | きらきら塾

 今期最初の講座は5月13日(月)に、合同講座として「子どものやる気を引き出すナッジ」を青森市教育研修センターを会場に開催しました。

 講師に青森大学客員教授の竹林正樹さんを迎え、ナッジ(人の心理特性に沿うことで子どもが自発的に行動を変えるように促す方法)の講座を開催しました。

          

ナッジとは「そっと後押しする」を意味し、選択の自由を確保しながら行動を促す手法です。

行動を促す方法には、①情報提供②インセンティブ③強制④ナッジの4段階があります。

①の情報提供は効果的です。しかし、頭で理解しても行動に移せないことが多いものです。

②のインセンティブ(対象の行動を促す刺激や動機)は動機を維持しにくいという課題があります。

③強制は強力ですが実現が難しいです。

④のナッジは、行動変容を予測可能な形で変える科学や心理学に基づいた理論と言うことです。

 人は頭で分かっていても行動しないことがあります。それは、認知バイアス(物事の判断が、直感やこれまでの経験にもとづく先入観よって非合理的になる心理現象)に影響されるからです。そして認知バイアスは、自分に都合よく解釈する習性があることや、情報をゆがんで解釈をする影響が有ることも紹介されました。

 また、直感を「働き者だが巨大で本能的な象」に、理性は「賢い調教師」に例え、象は直感的に面倒なことは先送りにする影響を受けやすく、「ナッジ」は、象が望ましい行動となるように予測可能な形に変える要素を使う方法と言うことです。

 そして話をするなら、相手の疲れていない時間帯に、EAST(簡単で、魅力的で、規範に訴え、タイムリー)でシンプルに伝えることで、直感的に動きたくなるようにし、最初と最後は明確に一貫性をもって、2分以内にまとめて伝えることが大事と話されました。 

 参加者からは「子どもは大人以上に直感的に動くため、こういったことを知るだけで、親の関わりも変わり、有効的だと分かりました。」また、「ナッジで行動を後押しする理由は、人間の脳が直感と理性の両方で判断し、認知バイアスの影響を受けやすいためと理解でき、いろいろな場面で応用できる理論で参考になりました。」との感想がありました。

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2024年度ファミリー講座 うとう塾

2024-04-13 13:53:31 | うとう塾

2024年度うとう塾の紹介です。

1枚目が講座の内容紹介、2枚目が講師と申込み内容が記載されたチラシです。

ご参加、お待ちしております。

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2024年度ファミリー講座 きらきら塾

2024-04-13 13:26:13 | きらきら塾

2024年度ファミリー講座きらきら塾が始まります。

2枚にわたって内容を紹介いたします。

ご参加、お待ちしております。

 

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おしえて! 岩田先生‼ サポセン通信33号より

2024-03-18 13:49:37 | ペアトレ
 
【子どもの発達と親の関わりを考える】と題して3回シリーズで岩田先生にお聞きしています。
第2回目は~小学校・中学年の子どもの発達の特徴と、親の関わり方を考える~です。
 
 「9歳の壁」というフレーズ、聞いたことありませんか。子どもの考え方が具体的思考から抽象的思考に変わっていく中で「壁」と感じるというものです。分数や少数で算数の理解スピードが落ちるのはそのためです。その「壁」は勉強だけでなく生活にもあります。
 この時期の子どもたちはギャングエイジといわれ、気の合う仲間で集まるようになります。行動範囲も広がり、今までに聞いたことのない友達とも遊ぶようになり、仲間同士を呼び捨てで呼び合うようにもなります。親や先生など周りにいる大人よりも自分のそばにいる仲間からの影響を強く受け、時間を守らなかったり嘘をついたりと親への反抗的な部分もちらつきますが、協調性や社会性を学ぶ機会にもなっています。ただ、周りを見る力がつくことで、他人と自分を比較し自信がなくなって卑屈になり、相手に素っ気ない態度をとったり、陰口を言ったりすることもありえます。こういった危なっかしさもありますが子ども同士で知恵を出し合って対処する力も育っていきます。「壁」は子どもにとって成長するチャンスを秘めている時期です。
 最近は、習い事などで放課後に集まることが難しく、遊ぶ時間がたっぷりある子どもは多くありません。また、ひとりで過ごすことが好きな子どももいます。
 親にできることは、子どもが友達と一緒に過ごしたいと思ったときに仲間づくりができる環境調整をすることです。子どもから素っ気ない反応が返ってきても「今日は何していたの?」と気にかけているメッセージを送り続け、困ったときに助けを求めやすくすることです。そして子ども自身が自分の良さを再確認できるように、子どものがんばりや良さを折に触れて伝え、子どもが仲間との豊かな体験を積めるように後押ししましょう。
 
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