Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.312:新しい組織のカタチ「永谷園生姜部」

2009年07月21日 | オープニング
2009年7月03日の日経MJの記事「永谷園社内横断組織に活気」という記事に同社の「生姜部」についての紹介がありました。

「生姜部?なんだそりゃ?」と思われる方も多い方思います。

07年6月「冷え知らずさん」というショウガを使ったカップスープのヒットがきっかけとなり、経営トップから「ショウガといえば永谷園と呼ばれるようになれ」というハッパがかかり、同年12月に「生姜プロジェクトチーム」が組織横断メンバーで結成されたのが生姜部の始まりだそうです。

このチームは会社の上下関係を持ち込まないことをモットーに「一緒に汗をかくこと」を重点に、自ら生姜を栽培して生態を学んだり、レシピを考案たりといった活動を実践してきました。ちなみにこの生姜部には数値目標がなく、若手社員から定年間際の社員までを集めた混成チームです。そのようなプロジェクトの性格を反映してか、08年4月に「生姜部」と名称を変更しました。

09年には生姜のレシピ本「からだポカポカしょうがレシピ129」を発行。さらに部活動を「永谷園生姜部」というWebサイトでPRし始めたところ、これが今月「広告電通賞の優秀賞」を受賞してしまったのです。最近では、部員を社外にも公募しはじめており、オンラインで1500人の応募が殺到。入社動機で「生姜部に入りたい」という大学生まで現れているというから驚きです。

こうした生姜部の一連の活動は、まさにエティエンヌ・ヴェンガー言うところのコミュニティ・オブ・プラクティスではないかと筆者は考えています。企業の戦略の方向性と合致した活動でありながら、コミュニティの自律性を尊重し、遊び心を全面に出す。生姜部内はフラットで社内横断的な人員構成で、さらに社外の消費者までも巻き込んでいます。永谷園生姜部の活動は既存の会社組織の硬直化した常識を全く覆してしまったと言ったら言い過ぎでしょうか?この常識破りな組織こそ、実は今多くの日本の会社組織に最も求められている方向性なのではないかと筆者は考えています。

「燃えろ生姜部!」そこには未来の組織の姿がある。
ちなみに筆者も生姜部員になりました。

最後までお読みいだだきありがとうございました。
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