Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

Vol.493:暦の上ではディセンバー。でも銭湯はサバイバー

2013年12月07日 | オープニング


月並みではありますが今年も残りひと月となりましたね。この時期コガの頭
の中にこだまするメロディーと言えば、John Lennonの「Happy Xmas (WarIs Over)
や、奥田民生の「雪が降る町」でした。しかし、今年はドラマ「あまちゃん」
の挿入歌『暦の上ではディセンバー』がグルグルと頭の中を駆け巡っており
ます。この曲はドラマの脚本を書いた宮藤官九郎さんが3分で作詞し、その
歌詞に大友良英氏が数時間で作曲してデモ録音まで行ったそうです。
(参考:「大友良英のJAMJAM日記~2013-06-28 いきなり情報解禁
「暦の上ではディセンバー」制作秘話」


ドラマでこの曲が流れていたのは6月~7月の暑い時期でした。しかしこう
して冬になって聞き直してみると、師走の喧騒とドタバタした雰囲気が伝わ
ってくるいい曲だった事に気づきました。ちなみに実際にこの曲を歌ってい
るのはベイビーレイズというグループだそうです(http://goo.gl/tt61JM)。
このあたりの関係は、ドラマの中で鈴鹿ひろみ(薬師丸ひろ子)と、その歌
の影武者をやっていた天野春子(小泉今日子)の関係を彷彿させます。

さて、そんな師走の近づく中、先週久しぶりに社会人の方がオーディエンス
の講演会を担当しました。相手は神奈川県浴場商業協同組合様
http://k-o-i.jp/)という県内の公衆浴場(銭湯)の組合員の方々、つま
り銭湯の経営者です。前学期にコガが担当していた「マーケティングの実践」
という授業で同組合の理事長に色々とご協力をいただいたので、その御礼と
授業の報告を兼ねて講習会の講師をお引き受けしました。講演では授業の中
で学生に検討させた「銭湯の活性化企画案」や、実際に銭湯に行ってレポー
トを書かせた「銭湯探検隊」の内容について報告しました。

神奈川県内の銭湯数は、昭和50年(1975年)の748軒がピークでした。その後
減少の一途をたどり、現在同組合に加盟している銭湯は208軒にまで減少し
ています。授業の際ここ半年間で銭湯にいった事のある学生を調べても、70
人の履修者のうちほんの数名しかいませんでした。様々な外的な要因に加え、
後継者不足等もあり、この先もますます廃業する銭湯が続くことが予想され
ます。そうした状況を立て直すのはとても難しいことなのですが、少しでも
若い人のアイデアが役に立てばと思い、今回ご協力させていただきました。

講演の最後のスライドは、マネジメント教育では定番エピソードの一つであ
る「ゆでガエル」のイラスト(http://goo.gl/Xgypzt)でしめさせていただ
きました。聴衆が銭湯の経営者ばかりだったのでちょっとブラックすぎるか
なあと心配しましたが、みなさん熱心に聴いていただき、感想もまずますと
いったところでした。

講演後ある銭湯の店主からこんな話を聴きました。小学生の銭湯体験を引き
受けた際、入浴後の質問タイムに子供からこんなことを聞かれたそうです。

「おじさん、銭湯ってなんのためにあるの?」

聞かれた店主は一瞬ドキッとしたそうです。確かにほとんどの家庭に内風呂
がある現在、機能面から銭湯の存在意義を子供たちに説明するのは至難の業
だったことと思います。しかし、話を聴いているコガの脳裏には下記のクエ
スチョンが浮かびました。

「もし『銭湯』の文字を『大学」に変えた時、私は小学生に説明できるのだ
ろうか?」
「たとえ大学一般論として回答できたとしても、『自分の大学が何のために
あるのか』を回答できるだろうか?」

年末に自分なりの答えを考えてみたいと思います。

皆さんも「銭湯」の文字を自分の業界や会社に変えて考えてみてはいかがで
しょうか?
<文責 コガ>

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